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猫の糖尿病に41.7万円、ペット保険の高額保険金支払い事例公開…ペットメディカルサポート

ペット保険の高額保険金支払い事例公開
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少額短期保険会社のペットメディカルサポートは、同社が提供するペット保険「PS保険」が、2021年10月に支払った高額保険金の事例を公開した。

支払い金額が一番高かったのは、小型犬の「僧帽弁閉鎖不全症」で73万9500円。次いで、猫の「リンパ腫」55万8700円、猫の「糖尿病」「外耳炎」「リンパ線炎」が41万7000円と続いている。

その中から「猫の糖尿病」の診療内容について、同社サービス「獣医師ダイヤル」を担当している「電話どうぶつ病院Anicli24」の院長、三宅亜希獣医師は次のように解説を行っている。

人間同様、猫の糖尿病も、細胞内の糖が枯渇して代謝異常を起こす疾患である。インスリン(血液から細胞内に糖を取り込む働きをするホルモン)が不足したり、正常に働かなかったりすることが原因と考えられる。糖尿病の症状として、多飲多尿(水をたくさん飲んで尿をたくさん排泄する)、たくさん食べるのに瘦せるなどが現れる。病態が進行すると、元気消失、食欲不振、脱水、昏睡などが起こる。

糖尿病はどの種類の猫でも発症し、中年以降の場合が一般的だ。肥満や栄養が偏った食事をとっている猫は発症リスクが高まる。また、既往の疾患、治療による薬剤使用などが糖尿病を誘発する場合もある。

猫の糖尿病の一般的な診療は、問診・視診、触診、血液検査、尿検査がある。通院での治療で問題ないケースもあるが、症状がすでに出ている猫は、そのまま入院管理により血糖値のコントロールを行う。特に、糖尿病性ケトアシドーシスの場合は、救急管理となる。治療は、毎日のインスリン投与と食事管理。食事は、高たんぱくのものが推奨される。糖尿病用の療法食もあるが、食べてくれない場合は、毎日きちんと同じ量を食べてくれる総合栄養食を優先させるとよい。

予後は、尿中に糖が出ない程度に血糖値をコントロールするために、定期的に血糖値を測定しながら、食事量やインスリン量を決定していく。猫の糖尿病は入院治療が必要になる場合が多く、血糖値が安定し退院できた後も家庭でインスリン注射が欠かせない。また、食事量によってインスリン量を変更する必要があるため、動物病院の先生との連携が重要になる。(事例の猫は、入院日数17日、通院日数18日)

なお、保険金の支払いは、高額なものに限らない。平均的な支払い事例として、ペットの歯周病、腎盂腎炎の診療についても紹介されており、こちらは小型犬の「歯周病」「腎盂腎炎」で4万円となっている。

《鈴木まゆこ》

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