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企画展「ダーウィンを驚かせた鳥たち 日本の生物多様性とその保全」、港区立みなと科学館にて開催…3月25日~5月8日

企画展「国立科学博物館 巡回展 ダーウィンを驚かせた鳥たち 日本の生物多様性とその保全」
  • 企画展「国立科学博物館 巡回展 ダーウィンを驚かせた鳥たち 日本の生物多様性とその保全」
  • 「日本の生物多様性とその保全」の展示パネル
  • 「みんなでつくろう~生命の木~」コーナーのイラスト
  • 「にぎわいひろば」の様子

港区立みなと科学館(東京都港区)は、3月25日から5月8日までの期間、2022春の企画展「国立科学博物館 巡回展 ダーウィンを驚かせた鳥たち 日本の生物多様性とその保全」を開催する。

同展は、「ダーウィンを驚かせた鳥たち」「日本の生物多様性とその保全」「港区にひろがる生物多様性」「にぎわいひろば」の4つのコーナーから構成され、多様な環境に合わせて生き物が進化したことに始まり、日本における独自の自然環境が生物多様性を支えてきたことを紹介する。

入口では「ダーウィンフィンチ類」の模型が来館者を出迎える。これは、生物学者ダーウィンが進化論を考えるきっかけとなった鳥たちだ。模型を囲うように置かれる展示パネルでは、ダーウィンが進化論の研究を深める着想を得たといわれる、ガラパゴス諸島について紹介。さらに、ダーウィンフィンチ類と進化論の関係性などを、若き日のダーウィンの日記を基にした『ビーグル号航海記』の引用も取り上げながら紹介していく。展示パネルにあるダーウィンフィンチ類の分類図と模型を照らし合わせながら、その多彩な姿形を知ることが可能なコーナーとなっている。

次のコーナーでは、「生物多様性とは何か」の定義をはじめ、日本の生物多様性の特徴などをパネルで紹介。日本の琉球列島において固有性などが見られることや、小笠原諸島の特徴的な自然環境などに注目する。日本にひろがる豊かな生物相は、世界に誇れる点であるにも関わらず、近年環境は悪化。藻場・干潟の減少やシカの個体数の増加などの影響により、生物多様性が失われつつある課題にもふれる。

国立科学博物館が取り組んだ水草の一種「コシガヤホシクサ」の野生復帰や、模型を使った「アホウドリ」の繁殖地の創設など、具体例とともに保全活動も紹介される。生物多様性の度合いを日本地図上に表現した、「生物多様性地形図」もあわせて展示。日本の豊かな生物多様性を知り、それを守ることの大切さを知ることができる。コーナーの最後では、動画にて、世界で絶滅の危機に瀕する生き物の保全活動についても紹介される。

日本や世界の状況について知ったあとは、港区にも目を向け「港区にひろがる生物多様性」を紹介。このコーナーでは、生き物の多様な居場所を都会でも確保しようする動きを見ることができる。さらに、港区が2010年に行った生き物調査の結果を立体模型で展示。昆虫や鳥などの生き物が港区にどれくらい生息しているかを知り、その多様性を実感できる。また、港区環境基本計画でも示されている、「エコロジカルネットワーク」の形成とは何かについて、グラフィックを用いて紹介される。

企画展の最後のコーナーは、未就学児も楽しめる「にぎわいひろば」。『種の起源』をもとにした科学絵本などを手にとって読めるエリアを常時開設。興味を持った展示のことをさらに知ることができる。さらに、川や湿地、街など生き物たちのすみかを再現したエリアも登場する。

その他、関連イベントとして、鳥の木製模型へ色付けする「バードペインティング」や、科学館の周りで野鳥を観察する「自然観察会」など様々なイベントが開催される。

なお現在、みなと科学館公式Twitterアカウント(@minato_kagaku)では、「#いきもののにぎわい」キャンペーンを展開中。投稿された写真は、来館者から寄せられる「生物多様性を守るために自分にできることとは?」のメッセージとともに「みんなでつくろう~生命の木~」コーナーに掲示される。

■開催概要
開催期間:3月25日~5月8日(4月11日・12日は休館)
会場:港区立みなと科学館(東京都港区虎ノ門3-6-9)多目的ロビー
入館料:無料(プラネタリウムのみ有料)

《鈴木まゆこ》

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