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小さな命がまく、幸せの種…命の誕生を大切にし、何があってもサポートを続ける 後編

小さな命がまく、幸せの種…命の誕生を大切にし、何があってもサポートを続ける 後編
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ブリーディングとは、そこに「心」が存在すべきいわば命の創造。当然のことながら、犬たちの身体的・精神的健康には最大限の注意が払われるべきです。こうしたブリーディングの世界もあるということを知って欲しいと思います。

前編は⇒こちら

仔犬たちの巣立ち:幸せの種

生後約2か月、ナッツママとご家族が注ぐいっぱいの愛情に包まれてすくすくと育ったきょうだいは、1月末にブリーダーさんのもとに引越ししました。新しいご家族が決まったこともあり、親離れして自立心を養うために「ひとり」で眠ることも学習するそうです。

そして2月、「なぎちゃん」と「コモンくん」と名付けられたナッツベビーは、それぞれのご家族のお家へと巣立っていきました。お別れの日、飼い主さんからふたりのご家族に素晴らしいプレゼントがありました。ナッツが、なぎちゃん、コモンくんを身ごもった時のエコー画像から、誕生と昨日までの成長記録。

「いつか新しい飼い主様が決まったら、その方にこのアルバムをプレゼントしよう。
おそらく99%の犬たちが、母犬と子犬がどんな風に過ごしたかわからない世の中。
でも残りの1%から、少しずつアルバムを手にする人が増えますように。
不衛生な環境の中、ひたすら仔犬を産ませ、競り市に犬が出回る日本。
母犬は子犬を産み出す機械じゃないから、家族に愛されてほしい。
そんな幸せの種が広がりますように」

という思いが込められたアルバムだそうです。

ブリーディング

ふたりが旅立った後、「寂しくないですか?」と聞いてみました。「確かに少し寂しいけれど、それ以上に、新しい親戚(=ふたりをお迎えした家族)ができたような嬉しさの方が大きいかな」、とのことでした。なぎちゃんとコモンくんも、今ごろ「家庭」の中で「家族の一員」として暮らしているでしょう。ナッツもベビーたちも、ご家族から本当にたくさんの愛情を与えられていると思います。でも同時に、ご家族にも彼女たち・彼からたくさんの「ギフト」が贈られているでしょう。その贈り物の一つが、新しい親戚としての、人と人とのつながりなのかも知れません。

ブリーディングとは:「いのち」をつなぐ?

ナッツは去年(2019年)の11月にも、健康なベビーを出産しました。この時は5頭でしたが、ベテランママに育てられた仔犬たちは、また「新しい親戚」をナッツのお家にプレゼントして、それぞれのご家族のもとに巣立っていきました。今後も、ナッツとお母さんは、こうした「いのち」のつながり活動を通した幸せの種まきを続けていくと思います。

ブリーディング

ブリーディングにおいては、「家族がキーワード」だと語る飼い主さん。「家族」と暮らす母イヌが出産し、その家庭で育てられた子犬たちが、適切なプロセスを経た上で自分たちの「家族」のもとに巣立っていく。それが、「命」を扱う上では欠かせないのではないでしょうか?

私は、命の誕生を大切にし、「何があってもずっとサポートする」、という思いがブリーディングの原点にあるべきだと感じます。同じきょうだいでも性格は違う。この子がどんな性格か、どこに気をつけるべきか、どこを伸ばしたらいいか。それは、一緒に暮らしてみたからわかること。それをしっかり新しいご家族に伝える事がすごく大切なのです。

ブリーディング

モノの見方・考え方や価値観は本当に様々で、世の中には唯一無二の「正解」が無い場合が多いとは思います。また、どんなビジネスをしても、基本的に周りに迷惑を掛けなければそれぞれの自由。それから、世の中には理想論で解決できないこと、たくさんあります。が、ことブリーディング(=「命」をうみだすこと)に関しては、この考えが少なくとも「正解」の一つなのではないでしょうか?

「次女」であるナッツの妊娠・出産・子育てからベビーたちの巣立ちを通して、飼い主さんは次のようにつづっています。

「1頭の犬が、1つの家庭で愛され、大切にされ、そして母犬となり、新しい家族を幸せにしてくれる仔犬たちを産む。家族(飼い主)は、心身ともに健全な仔犬たちが生まれ、成長するように可能な限り努力する。犬たちの出産はこうであってほしいなぁ。母犬がどこでどんな風に暮らしているのか、どんな風に仔犬を育てたか、見える世の中になりますように」。

[写真提供:しまペットクリニック]

《石川徹》

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