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BRUTUSの犬特集号を読んで…愛犬家の気持ちに響く形でまとめられたセンス

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BRUTUS(ブルータス)913号 & ハル
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少し前のこと、本屋で目に止まり“ジャケ買い”したのが、この雑誌『BRUTUS(ブルータス)』913号だった。

犬好きの心を引き込む表紙

飼い主的に言わせていただけば、上の写真に写っている我が家のハルには「言ってくれればボクだってモデルやるのに…」と吹き出しでセリフをつけたいところ(笑)ではある。が、それはさておき筆者も、毎日の散歩ではほぼ必ずカメラかiPhoneでハルの写真を撮っているからよくわかるが、連写で撮っていると、時としてこの表紙のだいふく君のような、目をつむった瞬間の何とも愛おしい表情に出会える。本文のタイトルページの撮影の際の1カットと想像できるが、冒頭にも書いたとおり、この表紙の写真だけでもこの号は犬好きの心を引き込んでくれる。

“犬(きみ)がいてよかった。”という、すべて愛犬家の気持ちを“瞬殺”する総タイトルもいい。ページを開けば、ビートたけし始め著名人が愛犬を通じて意外な一面を覗かせていたり、ブルータスらしく、大人の飼い主と愛犬の暮らしぶりがスマートに紹介されていたり。

筆者はコミックにあまり馴染みがないせいか(スヌーピーが登場する「ピーナッツ」だけは読んだ)、犬種の話を漫画でまとめたページは、すんなりと内容が入ってこず半ばスルーしてしまったが、書評家による犬にまつわる書籍の紹介は「どれから読んでみようか」と興味をそそられた。

愛犬家の要求にも応えたアイテムのセレクト

ティファニーの首輪とリードの紹介で始まるペット用品のページは、まさにブルータス・セレクトで、ひとつひとつのアイテムを食い入るようにチェックした。愛犬家にとってこうした情報は欲していることの代表格。けれど近所のホームセンターで売られているようなものではなく、ちょっとコダワリのあるもの、いいもの、デザイン性の高いものを、愛犬のために日夜探す“習性”をもっている。そんな要求にも応えたページという訳だ。

ブルータスは筆者自身1980年の創刊以来リアルタイムでずっと接してきたが、折々でタイムリーな気になる題材の取り上げ方に独自のセンスを持っている、と感じている。若い頃にはいろいろなことを教わった。そんなセンスがこの号でも愛犬家の気持ちに響く形でまとめられている。それと、犬を扱うからといって、犬の写真に安易に「ボクが犬だワン!」といった意味不明の犬語(?)のセリフが散見されなかったことにもホッとした。

《島崎七生人》

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