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【週末に観たい動物映画 vol.1】人生を変える一匹との出会いを描く作品 3選

このサイトを見ているということは、あなたは無類の動物好きのはず。そこで、今月から、動物が印象的な映画をご案内していきます。現在は、“STAY at HOME”が世界中で合言葉となっている時期。家に居ながらにして気軽に観られる作品をご紹介します。

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『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』
  • 『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』
  • 『犬の生活』
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  • 『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』
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このサイトを見ているということは、あなたは無類の動物好きのはず。そこで今月から、動物が印象的な映画をご案内していきます。現在は、“STAY at HOME”が世界中で合言葉となっている時期。家に居ながらにして気軽に観られる作品をご紹介します。初回は、「人生を変える一匹との出会いを描く動物映画3選」です。

◆『犬の生活』

『犬の生活』

映画ライターという仕事柄、「一番好きな映画は何ですか?」と聞かれることがあります。これは実に難問です。でも、「一つには絞れないんです」では、ライターとしても専門家としても無粋すぎ。そこで悩んだ末に、10年ほど前からこう答えることにしています。「大好きな映画はいくつもあるので、1本だけ選ぶのは無理ですが、死ぬ前にもし1本だけ映画を観られるとしたらこれを選びます」と。

それが、チャップリンの『キッド』(1920年完成)。チャップリン演じる貧しい男と、捨てられた男児との絆を描いた傑作です。貧しい中でも互いを思いやる2人の姿、我が子を捨てるしかなかった悲しき母親の事情、そして心温まるエンディングに涙腺は崩壊。これを見れば、最後に「人生、捨てたものじゃない」と幸せな気分に浸れるに違いないと信じているのです。

今日ご紹介するのはその原型とも呼べる存在で、『キッド』の2年前にチャップリンによって撮影された短編『犬の生活』。原題の「A Dog's Life」は、「惨めな生活」を意味します。タイトル通り、主人公は仕事もなく空き地で暮らす放浪者。ある日、野良犬の群れに襲われている一匹の犬を救い「スクラップス」と名付け、一緒に暮らしはじめます。やがてその犬が、ある強盗が隠した財布を見つけたことから、思いもよらない幸運へと導かれていくのです。まるで、チャップリン版花咲かじいさん。1人と一匹が盗み食いをする抱腹絶倒の描写や犬が見せるしっぽの演技にも注目です。また犬が主人公の膝に顎を載せたり、顔をなめたり、一緒に眠ったりする様子を見ていると、チャップリンがこの犬に愛情を持って接していたのがわかります。本作は私たちがチャップリンと聞いてすぐに思い浮かべる“心優しい放浪者”像、そして“チャップリン喜劇”が確立された、記念すべき作品。映画史に名を残すもう一つの名作でもあり、動物映画の金字塔でもあるのです。

◆『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』

『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』

2作目は、実話を基に描かれる猫がくれた“セカンド・チャンス”の物語です。薬物依存で更生中のジェームズは、路上演奏で小銭を稼ぎながら暮らすホームレス。ケアワーカーの計らいでフラットに住み始めますが、最初の夜に思いがけない侵入者が。それが茶トラのネコでした。自分の食事もままならない中、彼はボブと名付けた猫に食べ物を分け与え一緒に暮らし始めます。ボブも何か目的を持っているかのように決して離れようとはしません。ボブとともに演奏を始めると、これまで彼に見向きもしなかった人々から声をかけられ稼ぎも急上昇。自分の居場所を見つけるきっかけをつかむのです。

人生のどん底にいた男の、更生への覚悟を支えた一匹の猫。その猫を劇中で演じているのがボブ本猫というのも驚きです。意志の強そうな凛々しい視線と、プロ顔負けの迫真の演技や存在感には脱帽。ボブのクローズアップ映像満載なこと、時折切り替わるボブ視点の映像からも、猫好きではないと決して撮ることができない映画だとわかります。

◆『レミーのおいしいレストラン』

『レミーのおいしいレストラン』
(C)2020 Disney/Pixar


最後は、ピクサーの『レミーのおいしいレストラン』です。亡き天才シェフ、グストーに憧れるネズミのレミーが、彼の幽霊に導かれパリの高級レストラン「グストー」にやってきます。そこでは、不器用な下っ端のリングイニが大失敗を繰り返していました。そこでレミーが手を貸し、二人でパリ一の料理人を目指すのです。料理が苦手な見習いシェフが、料理上手なネズミのレミーと出会うことで、料理の素晴らしさに目覚めていくお話。

レストランとねずみという一見悪趣味とも思える組み合わせですが、実はもしかするとこれこそが本作の大きな狙いなのかもしれません。何かを固定概念のみで判断することの愚かさ、偏見を持つことへの警鐘を鳴らしているとも思えるのです。一見シンプルとも思えるおとぎ話を、きめ細かい状況&キャラクター設定、ちょっとしたスリル、丁寧な心理描写で感動のドラマに仕上げたピクサー。子供はもちろん、大人も楽しめる本作は、同社を代表する傑作の一つとなっています。

実は原題は「Ratatouille」。そう、フランスの野菜煮込み「ラタトゥイユ」のこと。本編でレミーが披露する自慢料理でもあります。これを味わった料理評論家がどうなったかは、ご覧になってのお楽しみ。こんな体験ができるなら、ネズミが作っていたっていいと思えてくる名場面です。

もうお気づきかもしれませんが、「Ratatouille」にはネズミ“Rat”が入っています。心憎いネーミングですよね。在宅時間が長くなっている人も多く、手料理への関心がますます高まっている今ですから、レミーの料理を作ってみるのもいいかもしれません。ディズニーのサイトではレミーのレシピも公開されているので、挑戦してみるのもおすすめ。

大切な人と「味」という思い出を共有できる幸せに、感謝したくなる一作でもあります。

外出がままならない日々ですが、素晴らしい映画を観る機会が失われたわけではありません。ぜひ、笑顔と涙を誘う、運命の一匹との物語を楽しんでみてください。


■『犬の生活』
『チャップリン短篇集1 Short Films of Chaplin 1』
価格 Blu-ray¥3,500+税
発売元・販売元 株式会社KADOKAWA

■『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』
発売元:コムストック・グループ
販売元:ポニーキャニオン
価格:Blu-ray¥4,700+税 DVD¥3,800+税 ほか
WEBサイト:http://bobthecat.jp/

■『レミーのおいしいレストラン』
ディズニーデラックスで配信中
《牧口じゅん》

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