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新型コロナウイルスが猫から猫に感染することを確認…東大医科学研究所

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  • 東京大学(イメージ)

東京大学医科学研究所は5月14日、新型コロナウイルスが猫の間で広がる可能性があることを発表した。

東京大学は、米国ウィスコンシン大学および国立国際医療研究センター、国立感染症研究所と共同で新型コロナウイルスの猫の体内おける増殖と感染伝搬に関する研究を行った。新型コロナウイルス感染症患者から採取したウイルスを猫3匹の鼻腔内に接種したところ、全個体の体内でウイルスが増殖したことが確認された。また、それぞれの猫と同居させた猫にもウイルスの感染が見られたという。

この結果から、新型コロナウイルスが猫の間で容易に接触感染することが分かった。また、ウイルスは猫の体内でも特に呼吸器で増殖しやすいことも判明した。東大によると、この研究結果から同ウイルスが猫の間で広がる可能性があるとしている。

ただし、この研究においてはウイルスに感染した猫に明らかな病気の症状は見られなかったと報告されている。また、猫と人の間における感染についての調査は行われていない。

したがって、これまでWHO(世界保健機構)や厚生労働省などが発表したように、人間がペットから新型コロナウイルスに感染するエビデンス(科学的根拠)は未だに見つかっていない。猫の飼い主は、これまで同様、自らが新型コロナウイルスに感染しないことに最大限の注意を払うことが重要だ。

ただし、国際獣疫事務局(OIE)や日本獣医師会が推奨しているように、飼い猫が他の猫と接触するのを避けるため、家の外には出さない方が安心である。

《石川徹》

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