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アメリカでウサギの感染症が流行

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カリフォルニア州南部のリゾート地、パームスプリングス近郊で今月上旬に死んだ「オグロジャックウサギ(black-tailed jackrabbit)」から、兎ウイルス性出血病(RHD)ウイルスが検出された。カリフォルニア州魚類野生生物局(CDFW)によると、同州では初めての事例となる。

非常に感染力が強いこのウイルスは、発熱や内臓の出血、肝臓の壊死など重篤な症状を引き起こす。また、症状を見せないまま突然死に至るケースもある。3月には、ニューメキシコ州、コロラド州、アリゾナ州、テキサス州およびメキシコで確認されており、飼育されているウサギや野生の「ジャックウサギ(jackrabbit)」など多数が死んでいる。

人間やその他の家畜はこのウイルスに感染しないが、ウサギは広く影響を受けると見られている。北米には「ノウサギ(hare)」や「ナキウサギ(pika)」のほか、絶滅危惧種に指定されている「Riparian(=水辺の意)ブラシウサギ(riparian brush rabbit)」、個体数が少ない「ピグミーウサギ(pygmy rabbit)」などが生息しており、CDFWではカリフォルニア州食糧農業局や合衆国農務省などとも連携し調査を進めている。

一般向けには、ハイキングやキャンプなど、アウトドアレジャーの際にウサギの死骸を見つけても触れないよう警告している。また、カリフォルニア州では「ブラシウサギ(brush rabbit)」と「ワタオウサギ(cottontail)」猟が7月1日に解禁となる。ハンターが捕獲したウサギを捌く場合には、手袋の着用と手洗い、器具の洗浄を徹底し、ウイルスの拡散防止に努めるよう促している。

なお、現在アメリカでは承認されたワクチンがないため、ウサギの飼い主は世話をする前後の手洗いや隔離など感染させない注意が大切としている。なお、日本では1998年にウサギの届出伝染病に指定されている。

《石川徹》

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