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アニコム、アメリカンショートヘア種の全ゲノム解読に成功

アメリカンショートヘア種の全ゲノム解読に成功
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ペット保険を扱うアニコム損害保険のグループ会社、アニコム先進医療研究所は、国立遺伝学研究所、かずさDNA研究所および香港中文大学との共同研究により、アメリカンショートヘア種の全ゲノムの解析を行ったと発表した。

同研究は、ゲノム情報を活用した医療を獣医療に役立てるため、必要なゲノム情報を取得する目的で行われた。これまで、イエネコのゲノム配列は、遺伝的に均一なアビシニアン種でのみ調べられており、未解明のゲノム構造もあるため、利用できる塩基配列情報が限られていた。そこで、国内外でも人気が高く、遺伝的に多様性が高い猫種であるアメリカンショートヘア種を対象として、正確なゲノム配列の解読と、染色体レベルの配列構造の解明に取り組んだという。

結果、アメリカンショートヘア種のほぼ全長のゲノムを、19本の染色体レベルで高精度に解読。さらに、解読した全ゲノム上には2万3119個の遺伝子があること、アメリカンショートヘア種とアビシニアン種では、染色体の一部で異なるゲノム構造を持っていることが判明した。

同社はこの研究結果により、アメリカンショートヘア種だけでなく、イエネコ全体の獣医療の発展に向けた応用研究が飛躍的に進み、さらに、データベースの構築により、遺伝情報に基づいたゲノム獣医療を進めるための正確な遺伝情報の蓄積と、その情報共有が可能になったとしている。

従来型の獣医療では、どの個体にも同じ治療を行っていたため、治療法によっては効果がでない猫も存在していたが、ゲノム獣医療を活用することで、より効果的かつ効率的に獣医療を進めることが可能になるという。

《鈴木まゆこ》

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