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動物関連施設がクラウドファンディングを実施…新型コロナの影響受け支援求める

「つくばわんわんランド」は茨城県の筑波山のふもと
  • 「つくばわんわんランド」は茨城県の筑波山のふもと
  • 「ノースサファリサッポロ」は目標を達成
  • 「つくばわんわんランド」世界最大級の木造犬展望台「モックン」
  • わんわんランドのふれあい広場
  • わんわんランドの犬とお散歩を楽しむ体験
  • 「モンキーベイ」も目標を達成
  • 「草津熱帯圏」

新型コロナウイルスは、動物関連施設にも大きな影響を与えている。従業員の人件費などに加え、えさ代から医療費、水道光熱費などは、動物の命にもかかわる。ここでは、クラウドファンディングを使って資金調達に取り組む施設のいくつかをご紹介する。

ノースサファリサッポロは目標を大幅に上回る

北海道の「ノースサファリサッポロ」は2005年に「ふれあい体験型動物園」としてオープン。現在ではライオンやキリンなどの大型動物から、リスなどの小動物、鳥やカメといった爬虫類まで138種類・約500頭の動物が暮らしているそうだ。昨年は、来場者が15万人を超えた人気のスポットである。

6月1日から再開されたものの、新型コロナウイルスの影響によりゴールデンウィークを含む長期の閉園を余儀なくされ、この人気のテーマ―パークも存続が危ぶまれる状況に陥ったそうだ。そこで、5月16日からクラウドファンディングを開始。2500万円を目標にスタートした。

ライオンが引っ掻いたダメージジーンズをはじめ、蛇の抜け殻で作ったピアスやキーホルダー、サル・オットセイ・ヤギが「描いた」絵、コツメカワウソやキンカジュウの手形色紙などのユニークなリターンが注目を浴びてテレビやSNSなどで話題を呼んだ。その結果、終了まで20日を残した10日現在で、30000万円を超える支援金が集まった。この結果に、同園は以下のコメントを出している。

「初めは何もわからず手探りでのスタートでした。こんなにも多くの方々に支援して頂き本当に感謝しかございません。返礼品一生懸命作っております。(中略)今度は皆様を癒したいと思います!」

つくばわんわんランドにも順調に支援が集まる

茨城県にある「つくばわんわんランド」は、500頭の犬、30頭の猫と触れ合いながら、散歩やショーを楽しむテーマパークとして1996年につくば市の筑波山麓に設立された。「ふれあい広場」では、同園で子犬から育てられ無理なく人に慣れた犬たちの中から気の合った一頭を選んで一緒に散歩することができる。ドッグランでは、筑波山を見ながら天然芝の上を愛犬と走り回ることもできる。

また敷地内には老犬・老猫ホーム「ひまわり」が併設されるとともに、「つくば獣医診療センター」や「つくば国際ペット専門学校」も隣接しており、犬と猫のケアにも力を入れている。そのほか、「わんぱく広場」やアスレチックなど小さな子供も楽しめる施設が用意され、筑波山観光とあわせて犬連れでなくても家族で楽しめるスポットとなっている。

昨年の台風19号では甚大な被害を受け、1週間の休業。その後は設備の改修などを続けてきたが、新型コロナウイルスによる営業自粛で4月22日から5月17日まで再び休園を余儀なくされた。その結果、犬・猫の食事や薬のコストなど運営面に影響が出ているという。

支援金は、園の維持費や犬・猫の食事代、今後の「新生活様式」に対応した施設改修、「ひまわり」で老後をより快適に暮らしていけるような環境造りのために使われるそうだ。リターンには、園の入場券や、1日園長体験の権利、オブジェの命名権など様々な特典が用意されている。

目標金額は500万円。終了まで73日を残した段階で480万円以上の支援が集まっている。

そのほか

温泉からの熱を活用して、熱帯や亜熱帯地域の珍しい動植物を飼育・栽培している「草津熱帯圏」。ナマケモノ、ミーアキャット、アリクイ、ワニやリクガメなどの珍しい生き物に会えるほか、ヘビと一緒に記念撮影もできるユニークな施設である。こちらはクラウドファンディングではなく、寄付を募りながら営業の継続努力を続けている。

新型コロナウイルスとは直接関連がないが、南伊豆にリニューアルオープンする予定の「モンキーベイ」もクラウドファンディングを行っている。前身の「波勝崎苑」は東日本最大級のニホンザルの群れ300匹に会えるスポットとして長年親しまれてきた。昨年9月に閉園後は、新たな経営陣のもとで生まれ変わる準備が行われている。野生の猿を守るための施設の改修や餌代など、莫大にかかるという費用捻出のため1000万円の目標を立てている。終了まで2日と迫ったが、すでに目標の1000万円を超える資金が集まっている。

《石川徹》

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