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家の中で多い、猫のケガやトラブルとは?…危険因子を事前に排除しよう

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自宅でのんびり過ごす猫ちゃん達。ワンちゃんに比べ一人で過ごすことも得意でお留守番中も自由気ままにお昼寝や日向ぼっこをして過ごしています。でも、自由に動ける猫ちゃん達だからこそ起こりえるケガや事故に注意しなければいけません。そこで今回は在宅時に焦点を当て猫ちゃんのケガやトラブル、対応方法などを、動物看護師の筆者が実例を交えてご紹介します。

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爪折れ事故

猫ちゃんの爪はワンちゃんと違い、普段は肉球の隙間に収納されています。よほど伸びていない限りは、猫ちゃん自身が爪を立てないと露出しません。ですが爪とぎをしている子ほど爪先は鋭くとがっており、いざ爪を立てたとき色々な所に引っかけてしまいます。

特に多いのがレースのカーテンにじゃれている時やソファなどの布製品で爪をとごうとした時、中には飼い主さんと遊んでいるときにお洋服に引っかけてしまう子もいます。猫ちゃんの爪の中には血管が通っており、根元に向かうほど太くなっています。爪が折れてしまうと血管が露出し出血してしまいますし、もちろん痛みも伴います。

対策としては定期的に爪切りを行う、お留守番時など目を離すときは網目が荒い布製品は片付けておく、カバーをかけておくなどがあげられます。また万が一出血してしまっても、圧迫で止血すれば大丈夫です。根元から折れてしまい出血が止まらない場合には、慌てずに動物病院で処置してもらいましょう。

誤食

好奇心旺盛な性格の猫ちゃんに多いのが誤食トラブル。筆者が見てきた中で、断トツで多かったのはビニールと紐状異物、乾電池の誤食です。カサカサ、ニョロニョロ、コロコロしているものが猫ちゃんは大好きです。お留守番中などに食べてしまうケースが多く、ビニールや紐は腸管を閉塞させてしまう可能性があります。その場合はお腹を開け大掛かりな異物除去の手術を行うことになります。

またアルカリ乾電池は誤食した場合、口内などが激しくただれ火傷症状が出る、全身的な中毒症状が出る、など命に関わる重大な症状を引き起こします。アルカリ乾電池は嘔吐誘発処置で吐かせることができないため、内視鏡や開腹手術で早急にとり除く必要があります。

すぐに誤食に気が付ければいいのですが、気が付かず数日様子を見てしまうことが一番危険です。普段、好奇心旺盛な性格の猫ちゃんが頻回な嘔吐や食欲の減退、虚脱などの症状を呈したときは様子を見ず病院へかかりましょう。また普段から誤食しそうなものは避け、代わりとなる安全なおもちゃを用意しておくことが理想的です。

火傷

猫ちゃんの火傷は様々なケースがあります。冬場はストーブなどで毛が焦げてしまったという子もいますし、ホットカーペットでお腹を低温火傷してしまう子もいます。軽度の火傷で本人が気にしていなければ、さほど慌てる必要はありません。動物病院で処方される軟膏や抗生剤で完治することがほとんどでしょう。

自宅内で特に注意したいのはキッチンです。鍋物など熱々のお料理を置いているときは猫ちゃんが立ち入らないよう気を付けましょう。過去に物音に驚いた猫ちゃんがパニックを起こし、暴れた拍子にお鍋が落下。飼い主さんもろとも火傷を負ってしまうケースがありました。幸い軽度で済みましたが、火傷の度合いによっては命に関わる重篤な状態になっていたかと思います。

暖房器具は、ついたてやブランケットなどワンクッションはさむようにしてみましょう。またお料理中だけは部屋を閉め切る、ケージを活用するなどして対策を行うことをおすすめします。

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のんびり屋さんの猫ちゃんにケガや事故のイメージはあまりなかったかもしれませんが、案外危険は身近に潜んでいます。特に飼い主さんが長時間目を離すときは、今一度危険因子がないか確認してみましょう。

《吉田つぐみ》

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