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新しいスタイルの保護・譲渡…ペットライフを包括的にサポートするSPA

「SPA(Society for Protection of Animals = 動物保護協会)」の譲渡施設
  • 「SPA(Society for Protection of Animals = 動物保護協会)」の譲渡施設
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東京都大田区、JR大森駅西口を出て商店街を5分ほど歩いたところにガラス張りの店舗がある。美容室かカフェに見えるが、実は保護犬や保護猫の譲渡施設だ。

「ペットと暮らす幸せな生活の提供」を目的に、昨年夏に設立されたNPO(特定非営利活動)法人「SPA(Society for Protection of Animals = 動物保護協会)」が運営している。外からも中の様子がよく分かる明るい「オープン型の保護シェルター」として、だれでも気軽に立ち寄ることができる雰囲気になっている。

野犬や野良猫たちに快適で手厚い生活を

現在、ここでは犬4頭と6匹の猫が新しい家族を待っている。収容されるのは主に地方の野犬や野良猫。SPAが日本各地の保護団体と連携し、自治体の動物愛護センターから引き取って新しい飼い主を探している。理事を務める斎藤鷹一氏によれば、脚が無いなどのハンデを負い家族を見つけるのが難しそうな子をあえて引き取ることもあるそうだ。

施設内には大型犬でも余裕を持って入れる個室と、床から天井までの高さをフルに使用しキャットウォークも備えた部屋が用意されている。動物たちの世話をするスタッフは常時3名が出勤しており、ケアの面でも十分な態勢がとられている。

プロによる飼育に関するサポートも提供

スタッフの中には動物看護師やドッグトレーナー、トリマーなどの経験者もいるそうだ。また獣医師とも独自のネットワークを有しており、健康管理やしつけ、日常のケアなどに関する幅広いカウンセリングも行う。SPAは保護・譲渡活動だけでなく、「困った時になんでも相談ができる」ペットライフのサポートも活動の柱の1つとしている。

お迎えには

SPAの施設から動物を迎える場合は、この施設を訪問して実際に犬・猫に会いスタッフから性格などに関する説明を受ける。ペットと暮らすのが初めての場合は、飼育方法などについても詳しいアドバイスが得られるそうだ。その上で1~2週間家族のもとで生活し、家庭環境や先住のペットとの相性に問題がなければ正式に譲渡となる。その際、新しい飼い主は6万円を上限に、これまでにかかった移動費や予防接種、不妊去勢手術などの実費を支払うシステムとなっている。

「間口を広げたい」…解決策を一緒に考える

斎藤理事は、動物を迎えたい思いを尊重してできるだけ「間口を広くしたい」と語る。保護動物の譲渡を受ける場合、家族構成や住宅環境、年齢、収入、これまでの飼育経験など多くの条件が課せられている場合が多い。それまで不幸な経験をした犬や猫が、再び同じような思いをすることがないようにという大切な配慮である。

その一方で、条件によってペットとの暮らしを望む人や動物がチャンスを逃していることも考えられる。SPAでは専門知識をもったスタッフが飼育全般に関してサポートできる体制を整え、できる限り事情に応じた対応ができる体制を構築している。高齢者の場合でも、ペット信託の利用や後見人を確保するなどの対策を講じて譲渡できる環境を整えることもあるそうだ。

「(譲渡)できない理由を探すのではなく、解決策があるかどうかを一緒に考えましょう」というスタンスだ。シンプルに条件で決めるのではなく、まず希望と生活環境を聞いた上で、それぞれのライフスタイルに合った提案をしたいと語る。

里親探しの依頼

ペットを手放さざるを得ない飼い主に対する里親探しのサポートも行っている。受け入れの条件は、転勤など仕事上の都合、病気やアレルギーなど健康面の問題および海外への移住など、「やむを得ない事情」としている。スタッフとの相談の上、証明書等の提示と3万円を上限とする各種手続き費用の実費を預かって受け入れている。鑑札やマイクロチップ番号の登録変更、ワクチン接種や不妊去勢手術などを行うとともに、必要なしつけを行った上で里親を探す。

スマホアプリの活用

空きがある場合は大森の施設に引き取るが、収容スペースがない時は専用アプリ「SPAなび」を通して登録し、SPAが間に入ることで安心して譲渡できる里親を探すシステムも整っている。なお、このアプリは譲渡希望者も使用することが可能で、遠方で来店が難しい場合などは登録されている動物をスマホで閲覧できる。興味がある犬や猫が見つかった場合は、FaceTimeやSkypeによるリモート面談を行うことも可能とのことである。

SPAのシェルターではフードやおもちゃなどのペットグッズ販売も行っている。また、動物の専門家であるフレンドリーなスタッフが常駐している。既にペットと生活をしている人も、これから家族を迎えようと考えている人も、一度見学してみてはどうだろうか。

《石川徹》

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