日本盲導犬協会の神奈川訓練センターは、盲導犬ユーザーが外出先でコロナを理由に援助を受けにくくなっている実情を踏まえ、「オンライン盲導犬ユーザー受け入れ・接客セミナー」を11月から12月に6回開催する。
受講者はスーパーやコンビニ、飲食店、公共交通機関などの関係者を主に想定しているとのことだが、関心のある人なら誰でも参加できるという。
企業や施設、店舗単位でしか受けられなかったセミナーを、個人にも、そして一般の人々へも広く公開するのは全国でも例がなく初の試みだが、視覚障害や盲導犬について、コロナ禍だからこそ知ってもらいたい情報を発信していくとしている。
新型コロナウイルスの流行以来、同協会には感染予防を理由に受け入れ拒否に遭った盲導犬ユーザーからの相談が寄せられているという。例えば「スーパーでの買い物の際に店員に援助を頼みにくくなった」や「人との距離がわかりにくい」といった、苦労の声がたくさんある。
一方、受け入れ事業者側からも「視覚障害者の手引きや案内をどうしたらいいか」など、接客についての悩みの電話が入ってきているとのことで、鉄道関係者や店舗経営者などはソーシャルディスタンス確保を十分にできるか、不安を抱いていることがわかったという。
そこで同セミナーでは、盲導犬ユーザーが店舗などの施設を利用する際の対応といった基礎編から、コロナ禍で困っているユーザーの生の声などの応用編を行い、さらに質疑応答の時間も設けるという。また、同協会が作成した、コロナ禍での盲導犬受け入れの考え方を盛り込んだパンフレットも、参加者にネットを通じて配布するとのこと。
申し込みは、同協会ホームページの申し込みフォームより可能。