動物のリアルを伝えるWebメディア

国立科学博物館、ミャンマーの生物多様性の解明に貢献

国立科学博物館、ミャンマーの生物多様性の解明に貢献
  • 国立科学博物館、ミャンマーの生物多様性の解明に貢献
  • 国立科学博物館、ミャンマーの生物多様性の解明に貢献

国立科学博物館では、国際協力機構がミャンマーで展開する事業「持続可能な自然資源管理能力向上支援プロジェクト」において進めている標本館(生物多様性研究センター:BRC)の建設に関し、研究センター内の設計の提案および監修を行い、その後、現地で適切な標本管理ができる人材育成を推進している。

ミャンマーは、アジア生物相の全体像を理解する上で重要な位置にあるが、英領から独立後、政情により東南アジアで唯一自然史研究に半世紀近いブランクが生じている。種の多様性の解明だけではなく、自然科学の人材資源にも半世紀の空白が生じたため、周辺諸国で蓄積された自然史の知見がミャンマーにおける情報の欠落が原因で完結できない事例も多くみられる。

同館では、これまで植物、菌類、藻類、地衣類、哺乳類、鳥類、昆虫類・クモ類、甲殻類、海生動物などの生物合同調査をミャンマー森林研究所と行い、複数の分類群で多数の新種・新産種を明らかにし、日本との関連性も明らかにしてきた。

標本館完成後には、同館の研究者とBRCが共同して標本収蔵を行い、2021年度以降は、標本作製・収蔵・管理体制の技術移転を開始し、人材育成の強化を図っていくという。

また、標本館を拠点に標本採集数が少ない地域で順次調査を行い、分類学的検討を様々な手法を用いて実施し、生物相の解明に貢献するとし、さらに、収集した標本データの登録を進め、「ミャンマー自然史データベース」を構築し、世界に広く発信していくとしている。

《鈴木まゆこ》

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top