動物のリアルを伝えるWebメディア

【僕と愛犬の癌闘病記 vol.6】癌の進行は止まらない、飼い主の必死な悪あがき

パピヨンのルナ
  • パピヨンのルナ

ルナの癌が発覚してから飼い主の生活は大きく変わりました。コロナの影響もあり、共に過ごす時間は格段に増えて寝るのも一緒。そこだけを切り取れば幸せなのですが、やはり癌は待ってはくれませんでした。

突然の異変、判断に迷いながら過ごす

毎日のルーティンとして朝・昼・夜・寝る前にカテーテルからの排尿を行い、同様にご飯も4回食に変更し、天気が良ければ散歩へ行き一緒の時間を過ごす日々。

ふとしたときにルナが左後ろ足を庇うようにしていたのに気付きました。最初はどこかで捻ったりしたのかな? と軽く考えていたのですが、いつもなら数日で元通りになっていたのが一週間たってもその様子は変わりませんでした。かといって庇ってはいるけれど、痛がる様子もなく家の中をウロウロしていたり散歩をねだってきたりするので、気にはしつつも普通に過ごしていたのです。

そして病院での検診の日となり症状を伝えると「エコーとレントゲンを撮って状況を確認しましょう」との提案。こちらとしても気になっていたので素直にお願いしました。待つこと20分ほど…検査結果は癌の怖さを改めて飼い主に突きつける内容だったのです。

見えない敵との戦い…症状なくとも癌は進行

健康な時のレントゲンと比べながら説明を受けたのですが、結果としては左足の骨と肺に転移がみられるとの診断でした。命に関わる話なので言い方は難しいのですが、“幸い”骨への転移は神経に影響していないようなので庇って歩けるレベルで現状は済んでいると。これが神経に影響する場所であると下半身麻痺になる場合もあるので、現時点では救われているとの説明でした。

そして肺への転移はまだそこまで広範囲ではないので、日常生活に大きな支障はいとのこと。元々ルナは痛みに強い? のかあまり痛がる素振りを見せたことがありません。今回の症状もルナの強さと薬による制御が上手くいっているということで、このまま投薬治療を続けて、何かしら症状が出たときに対処療法をしていきましょうという内容でした。また、症状が進むにつれて食欲が無くなっていく場合があるそうで、痩せないように食べられるものを食べさせてあげてくださいとアドバイスももらいました。

ルナの好きな物を探す日々、驚きのジャンルに手が…

ホームセンターやペットショップで、食べさせたことのないご飯を探して見つけては、買って帰りルナの反応を見ていました。勢いよく食べるものを数多く手元に揃えていき、毎食ごとに種類を変えていました。その時点ではルナの食欲は落ちておらず、毎回美味しいご飯を食べられたのでパーティー気分になっていた様です。ご飯の準備が始まる! と感じれば足下でじーっとこちらを見つめて「まだか、まだなのか?」と催促してきます。そうなると飼い主としてももっと美味しいご飯を探したくなるもの。店舗売りのご飯だけではなく、インターネットでも情報収集を始めると驚きのご飯を発見しました、漢方が入っている”薬膳ご飯”というものです。

自分自身でも漢方を飲もうと思ったことはなかったので、正直半信半疑だったのですが、自宅からそこまで遠くない場所にアンテナショップがあるとのことだったのでルナを連れて行ってみることに。症状? に合わせて色々な製品が売られていて、値札を見るとフラッとなりそうなぐらいのお値段。確実に飼い主のご飯よりも高級になる勢いでした。

対応してくれた店員さんに症状を伝えると、色々な製品の試食を持ってきてルナに食べさせてくれました。このときに思ったのは「お腹いっぱいにご飯を食べさせてから来れば良かった…」ということ。出された試食全てを「美味い! 美味い!」とガッついて食べるのです。そうなると気持ちとして買わざるを得ない。財布から諭吉様が何人も出て行ってしまいました。が、この中で特に気に入った食べ物のおかげで最後の最後までルナは食べ続けることが出来たのです。

思いつく限り色々と悪あがきをしていく日々。そしてまた違ったアプローチの悪あがきを発見して実行しました。その様子はまた次回にお話しします。

【僕と愛犬の癌闘病記】のコラム記事一覧

《藤澤純一》

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top