本連載では、令和元年11月に生まれた筆者の長女と4才の保護猫の暮らしを綴っています。今回は、初めて引っ越しを経験した猫が新居に馴染むまでのエピソードです。
ここはどこ? 不安でいっぱいの猫
引っ越しの荷詰めが終わって空っぽになった旧宅に混乱し、嘔吐してしまった猫。このまま新居で体調を崩してしまったらどうしようと、不安を感じる引っ越しとなりました。未曽有の新型コロナウイルスに備えて、近所の動物病院はどこも診療時間を短縮していたため不安はなおさらでした。
荷解き中は猫も落ち着かないようで、一日中足を止めることなく家の中を行ったり来たり。新居のキッチンに猫のごはんと水を設置するも、猫用の水ではなく荷解き途中茶碗にためていた水を飲んでみたりと、新しい生活スタイルができるまでにはなかなか時間がかかりました。
リラックスのきっかけは0才の娘!?
警戒心を抱いて猫タワーにこもりがちだった猫とは裏腹に、娘は新居でも自由に過ごしていました。いい意味で、まだ0才の娘にとってはパパとママさえいれば大丈夫。部屋の環境の変化に関してはそこまで気にしていなかったように思います。赤ちゃんメリーや積み木でいつものように遊ぶ娘。そんな娘のもとに猫は少しずつ少しずつ歩み寄るようになり、いつのまにか旧宅のように娘のそばに居座るようになりました。
娘とのびのび過ごす猫の新生活
引っ越しから1か月。眠る場所、食べる場所、遊ぶ場所…と猫のお気に入りの場所も次第に定まってきました。娘が寝ぐずりして泣いていても、猫がフローリングにお腹を出してくつろいでいるのを見たときは私のほうが驚いたほどです。娘も猫を見て機嫌を直すことが増え、まさに“猫の手も借りちゃった育児”での新生活となりました。
次回、生後5か月を迎えた娘の離乳食が本格的にスタート。離乳食に思いがけないリアクションをした猫のエピソードをお話しします。
■引っ越し当日に猫が娘を優しいまなざしで見ていたときの1枚が、この度日本愛護動物協会主催 第40回ペット写真コンテストにて「ペット大賞 環境大臣賞」を受賞しました。猫と娘の家族愛を見た瞬間でした。
引っ越し当日に猫が娘を優しいまなざしで見ていたときの1枚が、この度日本愛護動物協会主催 第40回ペット写真コンテストにて「ペット大賞 環境大臣賞」を受賞しました
こさい たろ:フォトグラファー
2年前に、猫と一緒にお嫁入りしました。現在、夫と猫と娘(0才)の3人&1匹でなかよく暮らしています。
猫:名前はシェリル。
ラテン語で「愛しい人」「大切な人」の意味。(英語の「Dear」の語源という説も)。銀色の毛並みで“かぎしっぽ”。L字に曲がった尻尾でたくさんのしあわせを招いています。