本連載では、令和元年11月に生まれた筆者の長女と4才の保護猫の暮らしを綴っています。今回は娘の離乳食がスタートしたときのエピソードです。
カリカリとちゅ~る以外は決して口にしなかった猫
わが家の猫は食のこだわりが強く、保護猫として譲り受けたときからずっと変えていないカリカリのキャットフードとチャオちゅ~るしか食べません。私たちの食卓に並ぶ焼き魚、かつお節、焼き海苔に興味を持つことがありますが、入念に匂いを嗅ぐわりに口にすることはありませんでした。そんな猫が、娘の離乳食スタートを機に突然人の食事に関心を抱いてしまうことに…。きっかけは「マグロのお粥」でした。
まさかこの香りは!? 大好物と勘違い!
同じ月齢の子どもと比べると娘は離乳食をよく食べるほうで、野菜から魚に至るまで好き嫌いなく食べていました。ベビーフードに頼りながらも、時間に余裕があるときは離乳食を手作りしていた私。ある日、マグロのお粥を作ろうと、湯通ししたマグロの刺身をすり鉢でドロドロに加工していたときのことです。いつもは人のご飯に見向きもしない猫がこちらの様子をじっとうかがっています。そして娘が食事を始めるやいなや、猫は甘えた声でベビーチェアにすり寄ってきました。
マグロのお粥をスプーンにすくい上げたときに初めて、猫がドロドロになったマグロをチャオちゅ~ると勘違いしていることに気付いた私。香りはもちろん、液状になった見た目もそっくりで、猫が勘違いしてしまうのも頷けました。このマグロのお粥を機に、猫は娘の離乳食や私たち大人の献立をチェックしに来るようになったのです。
娘の食事が気になる猫の葛藤
マグロのお粥以外にも、猫の興味関心は留まることを知りません。今までは香りを嗅ぐだけで満足していた焼き海苔や焼き魚も、娘が食べているのを見ると途端に欲しがるように。すりつぶしたしらすを出したときは、娘の食べこぼしを狙って食卓の下で待機していたほどでした。
娘の食事をうらやましそうに見上げる猫。ヤキモチでストレスがたまりすぎないように、今までよりちょっとだけ多めにチャオちゅ~るをあげる私でした。
次回、幼児用おもちゃに留まらず猫のおもちゃにも興味を示すようになった娘。そんな中、唯一猫が貸してくれなかった“お気に入りのあるもの” のエピソードをお話しします。
こさい たろ:フォトグラファー
2年前に、猫と一緒にお嫁入りしました。現在、夫と猫と娘(0才)の3人&1匹でなかよく暮らしています。
猫:名前はシェリル。
ラテン語で「愛しい人」「大切な人」の意味。(英語の「Dear」の語源という説も)。銀色の毛並みで“かぎしっぽ”。L字に曲がった尻尾でたくさんのしあわせを招いています。