動物のリアルを伝えるWebメディア

2年ぶりのインターペット…ペットブームの中、動物福祉を改めて考えるきっかけに?

イメージ
  • イメージ
  • 越村義雄氏
  • 会場となる東京ビッグサイト

日本最大級のペット産業見本市である「インターペット」が、4月1日から4日までの4日間、東京都江東区の東京ビッグサイトで開催される。昨年は新型コロナウイルス感染症の影響で開催されなかったため、第10回を迎える今回は2年ぶりとなる。

幅広い業界から300社以上が参加

2019年に行われた前回は世界23の国と地域から合計481社が参加し、来場者は4万4000人を超えた。今年は数社を除き国内企業の出展に限られるが、ペット関連業界だけでなく自動車、旅行、インテリア用品など幅広い業界を含めた約300社がブースを構える。動物とのライフスタイルに関する、様々な提案が行われる予定だ。

コロナ禍にあって好調なペット産業

インターペット実行委員会のメンバーである越村義雄氏によれば、フードやトイレ用品等の市場は世界的に好調で、2020年の売り上げは対前年比5%増の約1282億ドル(およそ15兆円)にのぼる。日本でも1兆3000億円ほどに達するペットケア市場は、コロナ禍の中でグローバルに成長を続けているそうだ。

日本における生体販売は二桁成長

欧米各国におけるロックダウンや日本での外出自粛によって、犬や猫などのペットを迎える家庭も増えていることが報道されている。日本における2020年の新規飼育数は犬46万2000頭、猫は48万3000匹で、前年比でそれぞれ14%と16%増加した。ペットフード協会が公表している過去5年間のデータによると、この二桁成長は過去最大となっている。非公式なものではあるが、子犬の仕入れには平均して2倍、子猫にも3割ほどの高値がついているという情報もあり、日本のペット業界は空前の好景気と言えるかも知れない。

動物福祉へのより高い意識が必要なコロナ禍の時代

一方で、この「ペットブーム」を懸念する声も上がっている。ロックダウン中、衝動的にペットとの生活を始めたものの、その後に飼育を放棄するケースが増えていることを報じる海外メディアもある。日本でも同様の傾向となる可能性は否定できない。生体販売の現場においては、事業者だけでなく飼い主も、それぞれが通常よりも高い意識をもって動物たちに接することが特に重要な時代ともいえるだろう。

動物と人間を社会的側面から考える企画に注目

インターペットは、「人とペットの豊かな暮らしフェア」と位置付けられている。主催者のメッセフランクフルトによれば、「人とペットのより良いライフスタイルを提案する」ことを目的としたイベントである。

特設ステージで開催される「ビジネスフォーラム」では、「高齢者とペットが楽しく暮らす方法」と題したパネルディスカッションが予定されている。そのほか、日本獣医師会が行う人と動物の「ワンヘルス」に関するセミナーや、日本補助犬協会による「補助犬デモンストレーション」なども行われる。動物と人間の共生を考えるうえで、意義のありそうな様々なプログラムが企画されているようだ。

REANIMALも“ペットとのお出かけ”を提案

もちろん、おしゃれなペット用のアパレル製品やバギー、カートなどのグッズ、「犬の笑顔フォトコンテスト」など楽しい企画や展示も盛りだくさん。REANIMALも、西1ホールで「ペットとクルマ」をテーマとした、お出かけやライフスタイルの提案を行う。

初日は「ビジネス商談日」で関係者以外は入場できないが、2日からは一般公開が始まる。大切な家族の一員であるペットと一緒に、色々な学びの機会を楽しんではどうだろうか。

《石川徹》

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top