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予想外の出会いからかけがえのない家族に…たくさんの縁を結ぶ、狆の「もんじろう」

狆(ちん)の「もんじろう」
  • 狆(ちん)の「もんじろう」
  • 向かって左がダックスフンドの「こたろう」くん
  • 一目惚れした「もんじろう」くん
  • 「ごえもん」くん(右)と「かりん」ちゃん(左)にも活力をくれる末っ子の「もんじろう」くん
  • キャンプ場でもみんな一緒に
  • キャンプに行って「外で食べるご飯は最高!」
  • キャンプ仲間と一緒に
  • 「ごえもん」くんは、目指せ二十歳!

大切な家族の一員として、生活を共にする動物たち。このコーナーでは、一般家庭で暮らす犬や猫たちを紹介しています。今回は、東京都に住む「狆(ちん)」の「もんじろう」くんです。

英語では“Japanese Chin”と呼ばれる日本原産の犬種ですが、最近はなかなか見かけません。ジャパンケネルクラブの犬種別犬籍登録頭数を見ると、2021年に登録された狆の子犬は259頭でした。柴犬の9958頭と比べると、その希少さがよく分かります。飼い主の南部さんご夫妻にお話を聞きました。

予定外の一目ぼれ、運命の出会い

----:もんじろうくんとの出会いを教えてください。

南部さん(以下、敬称略):2年前に、ペットショップで出会いました。

----:狆を探していたのですか?

南部:そうではないんです。その頃、愛犬を3頭続けて亡くしました。あまりにも悲しくて、「もう(新しく)わんこは迎えない」と思っていました。そんな時、亡くなったダックスフンドの「こたろう」にそっくりな子犬をインターネットで見つけたんです。その子に会いたくて、ペットショップに行ったのがきっかけでした。

向かって左がダックスフンドの「こたろう」くん向かって左がダックスフンドの「こたろう」くん

----:ダックスに会いに行ったのですか?

南部:そのダックスの隣に、まったく知らない犬種がいました。「狆って何?」という感じで抱っこさせてもらったのが最初の出会いです。

----:そこで運命を感じたわけですね?

南部:狆って、体がすごく柔らかいのが印象的なんです。見た目も「可愛い!」って、その日にお迎えしました。こたろうに似たダックスに一目会いたいと思って出かけたんですが、帰りには狆が一緒でした。

一目惚れした「もんじろう」くん一目惚れした「もんじろう」くん

家族全員にとって、かけがえのない存在に

----:予定にはなかったわけですが、お迎えしてどうでしたか?

南部:この子には、私たちが助けられました。愛犬たちの死からはじまって、新型コロナも含めこの2年は色々なことがありました。でも、もんじろうのおかげで「色々一緒に楽しみたい」と前向きな気持ちになり、新しいことにチャレンジしました。楽しく過ごすことができたので、あっという間だった気がします。

----:一目ぼれから、なくてはならないご家族の一員になりましたね?

南部:先住犬の「ごえもん」(チワワとヨークシャーテリアのMIX犬)と「かりん」(チワワとトイプードルのMIX犬)にとっても、大きな存在だと思います。18歳と16歳になるシニアですが、いつも一緒に出かけています。たまに、もんじろうが 「遊ぼう!」 とちょっかいを出して揉めていますが、そんなことも良い刺激になっているんだと思います。もんじろうが来なかったら、他の3頭が亡くなった後、このコたちも元気ではいられなかったかもしれません。

「ごえもん」くん(右)と「かりん」ちゃん(左)にも活力をくれる末っ子の「もんじろう」くん「ごえもん」くん(右)と「かりん」ちゃん(左)にも活力をくれる末っ子の「もんじろう」くん

たくさんの絆を作ってくれる存在

----:もんじろうくんのおかげで新しいことにチャレンジしたとおっしゃいましたが、どんなことに挑戦したのですか?

南部:今は、キャンプにはまっています。これも、もんじろうが結んでくれた縁のおかげです。時々、この子と出かけるペットショップに、キャンプ用品のコーナーがあるんです。お店の方と親しくなり、「わんちゃんたちとご一緒に」と誘っていただいたのがきっかけです。

-----:最初にプロと一緒なら安心ですね。

南部:その翌週には、家族だけで別のキャンプ場へ行ったんですよ。これからは、月2回くらいのペースで計画しています。もっと早く始めれば良かったと思っています。外で食べるご飯は最高です。広い空を見上げながら飲むお酒も美味しいですよ!

キャンプに行って「外で食べるご飯は最高!」キャンプに行って「外で食べるご飯は最高!」

----:そうした楽しみを味わえるのも、もんじろうくんのおかげですね。

南部:もんじろうは、私たち以外にも影響を与えているなと思います。この子たちがいることで、キャンプ場でも犬の話で盛り上がります。狆の大ファンになったキャンプ仲間がいて、先日、狆の子犬をお迎えしました!

----:色々な出会いを運んでくれますね。

南部:たくさんの絆を作ってくれるのが、犬という存在だと思います。

いつもみんな一緒に楽しむ

----:そんなかけがえのない存在の愛犬たちですが、生活する上で大切にしていることは?

南部:出かける時は、みんな一緒です。“一緒に楽しむ” ことが大事だと思います。例えば散歩でも、“犬のために”(必要だから)という感じではなく、私たちもこの子たち3頭も、みんなが楽しい時間を過ごすようにしています。

キャンプ場でもみんな一緒にキャンプ場でもみんな一緒に

----:犬と人間、どちらかが我慢しなくても、それぞれが心地よく過ごせる環境というのは大切ですよね。

南部:そうですね。ウチでは、四六時中構い過ぎないようにもしています。それぞれが、気ままに過ごすことも必要だと思います。

----:まさに“家族”ですね。そんな大切な家族の一員であるわんこたちに、一言お願いします。

南部:最年長のごえもんには、「目指せ二十歳!」です。ちょっと気が短いかりんには、「怒りすぎ!」と言ってやります。もんじろうは、「ベロ出すぎ!」かな(笑)

「ごえもん」くんは、目指せ二十歳!「ごえもん」くんは、目指せ二十歳!

最後は「感謝の言葉」的なコメントを期待していましたが、そうした話が改めて出ないのも、南部さん一家のスタイルだと感じる楽しい雰囲気でした。愛犬たちが繋いでくれた、かけがえのない絆には常に感謝しながらも、自然体で犬たちと接する大切さを学んだ気がします。

18歳のごえもんくんは、寝ていても、ご飯の時間になると必ず起きるという食いしん坊。かりんちゃんは16歳の今でも、大好きなママには駆け寄って来るそうです。そんな“ふたり”の元気の源も、飼い主さんの一目ぼれからやって来た、もんじろうくんの存在だと思います。

愛犬との出会い方はみんなそれぞれ。ブリーダーさんと長い時間をかけて話し合い、生まれるのを待ってお迎えする場合もあります。一方、ペットショップで一目ぼれするケースも少なくありません。筆者も愛犬の1頭は、運命的な出会いから衝動的にお迎えしました。どんな出会い方でも、大切なのは、家族として迎えてからどのように接していくかでしょう。

南部さんご夫妻:
わんことキャンプが大好き。自動車関係の仕事が長く、これまでコンパクトカーの『デミオ』からミニバン『プレマシー』、スポーツカーの『RX-8』まで様々なクルマを乗り継いでドライブを楽しんできた。現在の愛車は、そのデザインにほれたという『アテンザ』。セダンながら「結構荷物も載る」とのことで、キャンプに行くのも困らないそう。長距離を運転しても疲れない乗り心地で、ドライブ中のわんこたちは「みんなで爆睡」。

愛車のマツダ『アテンザ』セダン愛車のマツダ『アテンザ』セダン
《石川徹》

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