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【愛犬のスキンケア】犬の皮膚と被毛の特徴に合わせて正しいケアを

チワワ(ロングコート)
  • チワワ(ロングコート)
  • 皮膚の構造
  • 肉球
  • ポメラニアン
  • トイプードル
  • チワワ(スムースコート)
  • ダックスフントにもロングコートとスムースコートの種がいる
  • 柴犬

スキンケアに限りませんが、日常、愛犬と接するにあたっては、まず犬と人間が違う生き物なんだということを意識しましょう。その上で、それぞれの体質に合ったケアを行うことが大切です。今回は、皮膚に関する犬と人間との大きな違いと、それを踏まえたお手入れの注意点について、基本的なことをご紹介します。

犬の角質層は薄くてデリケート

ご存知の方も多いと思いますが、一番大きな違いは皮膚の一番上にある「角質層」の厚さです。犬種や個体によっても違いますが、犬の角質層は人間のおよそ1/3から1/5程度しかありません。お手入れの際は、デリケートな皮膚を傷つけない配慮が必要です。

その角質層を覆う皮脂の出方にも大きな違いがあります。私たちは、ほぼ毎日シャワーを浴びたり入浴したりします。その際、石鹸で完全に洗い流したとしても、皮脂は4時間ほどで元通りに回復するそうです。一方、犬の場合は皮脂が皮膚の保護に必要なレベルまで回復するのに2~3日かかると言われています。

3つ目の違いは、犬が身体から汗をかかないことです。足裏の「パッド」、俗に言う肉球以外には汗腺がないからです。人間は、汗を放置すると皮膚の表面にある老廃物(垢)や皮脂と混じって細菌が繁殖し悪臭を生じたりしますが、犬の場合は、汗によるその様な作用は大きくないことが分かります。余談ですが、肉球のにおいをかぐのが好き、という愛犬家は多いですよね。恐らく、汗からにじみ出る愛犬固有の体臭に愛おしさを感じているのでしょう。

肉球

被毛のバリエーションは様々

見た目にも明らかな違いは被毛ですね。皮膚を覆う被毛はもともと直射日光や乾燥、寒さ暑さ、ケガなどから身体を守る役割を担っています。現代の犬は、人間による品種改良もあり非常にバリエーションに富んでいます。

例えばチワワやダックスフントなど、同じ犬種でも「ロングコート」と呼ばれる長毛種と「スムース」と呼ばれる短毛種がありますよね。さらに一つの毛穴からたくさんの「副毛」が生える「ダブルコート」と、一本ずつ生える「シングルコート」に分けられます。ダブルコートには、例えば柴犬やチワワ、ポメラニアン、ゴールデンレトリーバーなどがあり、春の「換毛期」に保温性の高いふわふわの副毛(アンダーコート)が大量に抜ける時期があります。

一方、シングルコートの犬種としては、プードルやヨークシャーテリア、マルチーズなどが挙げられます。シングルコートの場合は抜け毛が少なく、特にトイプードルは、抜け毛がほとんどないことでよく知られています。

トイプードル

特徴に応じた皮膚・被毛ケアとは

被毛のタイプから皮膚の薄さ、皮脂の量、汗のかき方や被毛の特徴に関して、簡単にご紹介しました。では、そうした要素を念頭に置きながら、具体的にはどんな点に注意して皮膚や被毛のケアをするべきなのでしょうか。

日常のお手入れとして、最も一般的、かつ必要なのはブラッシングでしょう。ダブルコートの場合、春から夏にかけては、ブラッシングでアンダーコートがきちんと抜けるようにお手入れをし、夏の暑さや蒸れから身体を守るよう注意することが肝要です。トリミングサロンでは、ダブルコート犬種用の「レーキング」というメニューがあり、アンダーコートを丁寧に取り除いてくれますので、これを利用するのがお勧め。ご家庭でも、「ファーミネーター」という道具を使用すれば、比較的簡単に余分な副毛だけを取り除くことができます。

ただし、ダブルコートでもアンダーコートを残すスタイルが好まれる犬種もいます。代表的なポメラニアンの場合、ブラシのピンがクッション性のあるソフトな素材の上に植えられている「クッションブラシ」を使用して、できるだけ被毛を抜かないお手入れが現在は多いそうです。なおこういったスタイルの場合、高温多湿な日本の夏においては、蒸れや体温の上昇などを含む体調管理と被毛の絡まりや毛玉の発生に、充分注意する必要があります。

ポメラニアン

プードルはマメなブラッシングが必須

一方、現在日本で飼育頭数のとても多いトイプードル。くるくるした巻き毛がチャームポイントですが、この犬種の場合は当然マメなブラッシングが必須です。見た目の可愛さを保つのも大事ですが、ブラッシングによって絡まりをほぐし、毛玉ができるのを防止することが大切。毛玉ができると、その周辺の皮膚が蒸れたり、毛玉の中や周辺に雑菌が繁殖したりして、感染症に発展する恐れがあります。

そのため、毎日「スリッカー」を使用して、時には毛を裂きながら被毛の絡まりをほどいて伸ばします。また、トイプードルの毛は抜けない、つまり永遠に伸び続けるため、定期的なトリミングが不可欠。飼い主さんによっては2週間おきにトリミングサロンに行く、という方もおられますが、2か月に一度、できれば人間同様に毎月、カットして長さを整えるのがお勧めです。

トリミングに使用するスリッカー

同じシングルコートでも、日常のブラッシングが比較的楽な犬種もあります。例えば、ヨークシャーテリア。被毛はほぼストレートで、トイプードルと比較すれば毛玉もできにくい性質です。さらに、伝統的な流れるようなロングヘアよりも、最近では短くカットするスタイルが好まれているようです。この場合は、人間が使用する獣毛を使ったソフトなブラシやコーム(櫛)でとかすだけで基本的には充分です。

このように、ブラッシングだけでも被毛の特徴に応じて使用する道具や目的、頻度などは大きく異なります。ただし、どのケースにおいても、皮膚の角質層が人間よりもはるかに薄いことを意識して、櫛の先やブラシのピンが肌に強く当たらないように注意を払う必要があります。

《石川徹》

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