動物のリアルを伝えるWebメディア

ペットIoT「Plus Cycle」、猫の身体活動と睡眠の質の評価に有用性を確認…米国の科学雑誌に掲載

ペットIoT「Plus Cycle」、猫の身体活動と睡眠の質の評価に有用性を確認
  • ペットIoT「Plus Cycle」、猫の身体活動と睡眠の質の評価に有用性を確認
  • ペットIoT「Plus Cycle」、猫の身体活動と睡眠の質の評価に有用性を確認

日本動物高度医療センターは、日本大学獣医外科学研究室との共同研究「猫の身体活動と睡眠の質の評価におけるPlus Cycle(プラスサイクル)の有用性検証」に関する論文が、米国の科学雑誌「PLOS ONE(プロス・ワン)」に掲載されたと報告した。

猫の運動器疾患、特に変形性関節症の発症率は加齢とともに増加し、日本の高齢猫では、12歳以上で70%が発症している。疾患・痛みの早期発見には、猫の行動変化を客観的かつ定量的に評価することが重要だが、猫の加齢に伴う身体活動の変化を定量的に評価した研究はこれまでなかったという。そこで、同研究では、猫の身体活動と睡眠の質を評価するための新しいツールとして、Plus Cycleの有用性を検証したのだそう。

同研究では、健康な猫61頭にPlus Cycleを装着して活動量・ジャンプ数を測定。すると、高い精度で身体活動を定量化し、活動状態と安静・睡眠状態を判別する上でも非常に精度が高いことが認められたという。

また、加齢に伴い活動量とジャンプ回数は有意に減少し、その一方で、安静・睡眠時間は有意に増加することがわかったとし、運動器疾患の早期発見には、活動量変化に加え、ジャンプ回数も新たな指標として重要であることが明らかになったとしている。

さらに、同研究において、加齢に伴い「昼間」の睡眠時間は増加したが、「夜間」の睡眠時間の推移はほぼ一定だったのだそう。人や犬では、痛みや様々な疾患で夜間の睡眠が阻害されることがあるため、今後、夜間の睡眠の質を定量的に評価することにより、猫の「痛み」や疾患が早期発見できる可能性が示唆されたという。

このような結果を受け、同研究チームでは、Plus Cycleは、猫の身体活動と睡眠の質を正確かつ客観的に評価できることが認められたとし、特にジャンプ回数や安静時・睡眠時間を測定することにより、猫の健康管理に活用できることが示されたとしている。

なお、同研究で使用されたPlus Cycleは、犬猫用の活動量計で、活動量・ジャンプ回数に異常がある時はアプリに通知がくるシステムとなっている。さらに、データはかかりつけ動物病院にも共有可能で、全国の800病院がPlus Cycle対応病院として登録されている。

《鈴木まゆこ》

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top