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新型コロナウイルス患者とペットが一緒に入所できる療養施設を開所…東京都

猫(イメージ)
  • 猫(イメージ)
  • 犬(イメージ)
  • ウサギ(イメージ)
  • ハムスター(イメージ)

東京都は新たに「臨時の医療施設」をお台場に開設し、10月12日から受け入れを開始した。同施設には、新型コロナウイルスへの感染が判明した無症状または軽症の患者が、ペットと一緒に入所することができる。

医療従事者が常駐

「船の科学館」(品川区)の敷地内に建てられた14棟のプレハブ住宅には、それぞれ10室が設けられている。看護師が24時間体制で勤務するとともに日中は医師が対応するため、患者は安心して療養に専念することができるという。合計で140室が用意されているが、東京都によれば消毒の必要性や事務作業や仮眠などスタッフ用のスペースも必要なため、当面、最大50室を療養のために使用する予定としている。

ペットと飼い主が共に生活できる環境

約20平方メートルの仮設住宅には、猫用の高さのあるものも含むケージやトイレシート、猫のトイレに使用する砂、ペットの身体を拭くウェットティッシュなどが用意されている。また、2重ドアが備えられ、飛び出しを防止する配慮もされている。テレビやエアコン、トイレやシャワーなども完備されており、患者がペットと共に安心して生活できる環境となっているようだ。

犬、猫、ウサギ、ハムスターと入所が可能

軽症または無症状の陽性患者は、東京都が借り上げたホテルでの療養が勧められているが、ペットの世話を理由に自宅療養を選ぶ患者が多いという。この施設の場合も犬と猫、ウサギ、ハムスターの4種類に限定されるとともに、犬も部屋の外には連れ出せないといった制約はある。しかしながら、ペットと一緒に療養できる施設ができたことは、治療環境の向上と感染拡大防止への一定の効果が期待できるだろう。

なお、動物の食事、食器、移動用のクレート、ブラシなど日常の世話に必要な物は飼い主側が用意することになっている。

冬に向けて…

報道などでは、冬に向けて気温と湿度の低下により新型ウイルスの活性化を懸念する意見も聞かれる。予防のためのワクチンや決め手となる治療薬が存在しない現在、鍵となるのは引き続き我々人間が感染しない、させないための最大限の注意を図ることだろう。

東京都獣医師会はホームページを見る限り、「ペットが人に病気を移したという報告はなく、その可能性は依然として低いと考えています」とのスタンスを夏以来変えていないようだ。また、アメリカ農務省(USDA)も、「動物が新型コロナウイルス陽性を示したとの報告が各国であるが、ほとんどの場合、同ウイルス感染症を発症した人間との濃厚接触後に判明しており、人間から動物に新型コロナウイルスがうつるケースは考えられる」(10月9日発表)としている。

したがって、手洗いの励行、マスクの着用や「密」を避ける行動など、我々自身が感染を避けるための行動が、大切な家族の一員である動物たちを守ることにもつながると言えるだろう。

《石川徹》

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