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盲導犬、介助犬、聴導犬、3種類の補助犬を育成する日本補助犬協会【インターペット2021】

日本補助犬協会のデモンストレーション(インターペット2021)
  • 日本補助犬協会のデモンストレーション(インターペット2021)
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インターペット2021には、ペット関連企業以外にも、様々な団体が参加。昨年11月に開催された「インターペット愛知」では、殺処分ゼロに向けた「犬猫サポートプロジェクト」に取り組む名古屋市健康福祉局(=名古屋市役所)がブースを構えていたことを紹介した(参考記事)。東京ビッグサイトで今回も、NPO法人がブースを出していた。

3種類の補助犬すべてを育成する日本補助犬協会

日本補助犬協会は補助犬のデモンストレーションを披露した。同協会は、「身体障害者補助犬法」(参考記事)が施行された2002年に設立された特定非営利活動法人(NPO法人)で、盲導犬に加え介助犬と聴導犬の育成を行っている。特に聴導犬が多く、現在日本で活躍している60数頭のうち6割ほどが同協会で訓練を受けた犬たちだそうだ。そのほか、盲導犬、介助犬ともにそれぞれ15頭が同協会のトレーニングを経て活躍している。

これら3種類の身体障碍者補助犬は、1歳まで「子犬飼育ボランティア」のもとで育てられた後、訓練センターで約1年間トレーニングを受ける。その中で、補助犬としての適性があるかどうか、また、補助犬の中でも盲導犬、介助犬、聴導犬のどれに向いているのかの見極めが行われる。その後は10歳で引退するまでの約8年間を補助犬として活躍するそうだ。

チワワなどの小型犬が活躍する聴導犬

今回のデモンストレーションで特に印象的だったのは聴導犬。目の不自由な方をサポートする盲導犬や手足の不自由な方のお手伝いをする介助犬には、ある程度の体格が要求される。したがって、ラブラドールレトリーバーなどの大型犬が多い。

一方、音を知らせる聴導犬の場合は体のサイズが問題にならないため、様々な犬種が活躍している。現在の日本では、およそ7割がチワワやヨークシャーテリアなどの小型犬とのことである。また、いわゆる「レスキュー犬」をトレーニングして聴導犬に育てるケースも少なくないそうだ。

介助犬と聴導犬の認知向上と「人と犬との共生社会の実現」を目指す

日本補助犬協会は、特にまだ十分に知られていない介助犬と聴導犬の認知向上を図りたいと言う。「手足の不自由な方や聴覚に障がいのある方でも、補助犬が選択肢として思い浮かばない」ケースは少なくないそうだ。以前REANIMALで紹介した日本介助犬協会の訓練センター長のコメントにあったように(参考記事)、補助犬たちがもたらすことのできる精神面も含めた効果は大きい。介助犬や聴導犬に関する周知を図ることは、肢体・聴覚障がいに悩む多くの方々の力となるだろう。

日本補助犬協会はさらに、補助犬の普及を通して「人と犬との共生社会の実現」をめざしているそうだ。現在の日本では、レストランや商店など補助犬以外の犬が入れない場所が多い。一方、海外では補助犬だけでなく、ペットが共に「社会参加」している。補助犬を見ていただくことで、しつけができていれば犬たちが普通に生活することが可能だということを広く示したいとしている。

《石川徹》

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