動物のリアルを伝えるWebメディア

野良猫や迷子猫を保護するときに注意したいポイントは? [後編]

イメージ
  • イメージ
  • イメージ
  • イメージ

前編では野良猫ちゃんを見つけたときの対応方法などをご紹介しましたが、実際に保護した後はどのような生活環境や医療が必要になるのでしょうか?もし首輪をしていたら迷子の可能性もありますよね。そこで後編では、野良猫ちゃんを保護した後の対応方法についてご紹介します。

保護した後に必要な医療

まず野良猫を保護して最初にしたいことは、動物病院の受診です。人に慣れていない子は診察すら難しいこともありますが、外で生活していた猫ちゃんはお腹の中に寄生虫がいたり、ノミやマダニが寄生しているかもしれません。お腹の虫下しやノミダニの予防薬を出してもらいましょう。自宅での投薬に不安がある方は、動物病院で頼むとやってもらえます。

さらに、外での生活で猫風邪やウイルスに感染している可能性もあります。風邪症状がひどい場合には点眼薬や内服薬の処方をしてもらいましょう。自宅に先住猫がいる場合には、猫エイズや猫白血病など感染する可能性のあるウイルス検査を行っておくと安心です。

また動物病院にかかることで性別判断や避妊去勢の有無も確認することができます。先住猫と接触させるのは全てが落ち着いてからにしましょう。

生活環境は注意が必要

動物病院での受診が終わった、ら実際に自宅での生活環境を整えていきます。成猫は非常に警戒心が強く、またストレスに敏感です。環境の変化に適応するまではあまり食事もとりたがらないかもしれません。最初の数日は広めのサークルやケージに入れ少しずつ新しい環境に慣らしていくといいかもしれません。毛布やバスタオルをかけ目隠ししてあげると猫も少し安心してくれます。

慣れてきたら部屋に開放し本人の気が済むまで探索させてあげてください。大きな物音などは驚きのあまりパニックを起こしかねませんので、細心の注意を払ってあげましょう。しっかり食事がとれ、多少警戒心が和らいでくるまでこちらからは干渉しないようにします。食事があまりにもとれない場合や排泄を全くしない場合は、動物病院に相談してください。温かく、美味しい食事が出てくる安全な場所、と猫ちゃんが理解してくれるまで根気よく待ちましょう。

迷子だった場合の対処法

保護した時にもし首輪をつけていたら野良猫ではなく迷子かもしれません。外の生活が長期化していれば、もちろん感染症をもらってしまっている可能性がありますのでこの場合も動物病院は受診しましょう。

次に行うのは飼い主さん探しです。動物病院受診時に迷子猫である可能性を伝えマイクロチップの有無を見てもらってください。マイクロチップは体内に埋め込まれた小さな端子で、専用のリーダーで読み取ることで飼い主情報や住所などを閲覧することが可能です。

マイクロチップがなかった場合には最寄りの警察署、保健所に届けが出ていないか確認しつつ保護情報を伝えます。その他の方法としては張り紙なども効果的ですがSNSが使える方はTwitterなどで検索、拡散すると飼い主さんが見つかる確率がより上がります。どうしても見つからなかった場合には、正式に家族に迎え入れてあげましょう。

外に戻すという選択肢

前編では覚悟を持って保護をする、とお伝えしましたが一つだけ例外があります。それは、どうしても室内での生活に猫本人が慣れなかった場合です。

食事もとれず、排泄もできず、何日たっても部屋の隅っこで固まっている。この状況が続くことは猫にとってはストレスですし、保護した方も見ていて辛くなるかと思います。どうしても室内で生活できないようであれば外の環境に戻してあげることも一つの方法です。そのような時は同じ境遇の猫がこれ以上増えないように避妊、去勢の手術は必ず行ってから外に出してあげましょう。整った環境ではなくとも自由な外の生活を好む猫がいるのも事実です。切ない選択ですが、猫の様子をよく見て考えてみてください。

イメージイメージ

野良猫ちゃん達は過酷な生活環境にいながらも自由に楽しく生活しているのかもしれません。家猫になるか、このまま外で暮らしていくか、本人の希望を聞くことはできませんが、猫ちゃんにとって幸せな生活ができるようサポートしてあげましょう。

《吉田つぐみ》

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top