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「いい歯の日」に、愛犬の歯磨き教室を開催…日本ペット歯みがき普及協会

「愛犬の健康寿命のための歯磨き教室」(日本ペット歯みがき普及協会主催)
  • 「愛犬の健康寿命のための歯磨き教室」(日本ペット歯みがき普及協会主催)
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日本歯科医師会は、11月8日を「いい歯の日」として歯の健康に関する様々な啓発活動を行っている。「口腔の健康が全身の健康に密接に関係する」とし、特に高齢化の進む日本社会において「健康寿命の延伸」への貢献を目指しているという。歯の健康が大切なのは、人間だけでなく動物たちも同じだ。

ペットにも大切なオーラルケア

生活環境や医療の充実によって、ペットの高齢化も進んでいる。寿命が延び、共に過ごす時間が増えるのは飼い主にとって喜ばしいことだが、歳を取れば健康管理がより大切になる。人間同様、犬にとってもオーラルケアが重要だ。

11月8日に、「愛犬の健康寿命のための歯磨き教室」が一般の飼い主向けに行われた。主催したのは同日設立されたばかりの「日本ペット歯みがき普及協会」で、代表理事の赤津徳彦氏が口腔ケアの重要性や歯磨きのコツなどについて講習を行った。同協会によれば、犬の死因として上位にあがる病気の多くは歯周病が原因と言われているそうだ。赤津氏はペットの歯周病ゼロを目指し、これまで9都道府県で31回の歯磨き教室を実施してきたという。

歯磨きシートは歯の表面を傷めないように

30分のセッションでは、歯磨きシートや歯磨きガム、歯ブラシの使い方に関する解説があった。シートを使用する場合、愛犬を横向きに抱きかかえ顔の上下を指で固定すると無理のない体制でお手入れができる。最も磨きやすい犬歯から始め、犬が慣れてから奥歯のクリーニングに移るのがコツのようだ。

「愛犬の健康寿命のための歯磨き教室」(日本ペット歯みがき普及協会主催)「愛犬の健康寿命のための歯磨き教室」(日本ペット歯みがき普及協会主催)

磨く時は、強くこすり過ぎないことが大切だという。犬の場合、歯の表面を覆っているエナメル質は人間の5分の1程度と非常に薄いため傷がつきやすい。一方の歯磨きシートは、汚れが落ちやすい構造になっており優しく磨けば十分に汚れが取れるそうだ。力を入れるよりも、拭き残しが無いように注意を払うのが効果的だろう。

ガムは歯間ブラシの役割

歯磨きガムは人間の歯間ブラシの代わりと考えればよいそうだ。飼い主が手に持って、場所を変えながら、まんべんなく歯を使って噛ませることが重要だろう。歯磨きシートでは届かない、歯の間についた汚れを落とす効果がある。使用するタイミングとしては、夜、寝る前がおすすめとのことだ。人間同様、就寝中は唾液の分泌が減り口の中の細菌が増えやすい。歯磨きガムで口内を綺麗にし、ある程度唾液を出させてから寝ることで、雑菌の繁殖を抑える効果が期待できるそうだ。

歯ブラシは少しずつ慣らすことが大切

歯ブラシには抵抗を見せる犬が多く、飼い主にとっても高いハードルとなっているだろう。口のサイズに合った歯ブラシを選び、焦らずに少しずつ慣れさせることが重要とのこと。鉛筆を持つように力を入れずに軽く持ち、優しく動かして汚れを歯の隙間からかき出すことを意識するのがコツだそうだ。また、歯を傷つけないように柔らかい毛の歯ブラシを使って優しく磨くことを心掛けたい。

「愛犬の健康寿命のための歯磨き教室」(日本ペット歯みがき普及協会主催)「愛犬の健康寿命のための歯磨き教室」(日本ペット歯みがき普及協会主催)

できれば仰向けの体制で

歯の汚れが目視できればクリーニングもより効果的になる。できれば膝の上に仰向けにさせ、飼い主が両足の太ももに挟んで愛犬の身体を保定した状態での歯磨きをおすすめする。お座りの体制で横から歯ブラシを入れるよりも、歯と歯茎の境目なども含め汚れを確認しながら効果的なデンタルケアができるだろう。

「愛犬の健康寿命のための歯磨き教室」(日本ペット歯みがき普及協会主催)「愛犬の健康寿命のための歯磨き教室」(日本ペット歯みがき普及協会主催)

仰向けの体制を維持させるのは、難しい場合が多いだろう。歯磨き以外の時間に仰向けでリラックスする習慣をつけることで、抵抗なく受け入れられるようになるケースもあるという。歯磨き全般に言えることだが、焦らず、少しずつ慣らしていくことが大切だ。

第4前臼歯の磨き残しに注意

歯磨きシートや歯ブラシを使う場合、犬歯の奥にある「第4前臼歯」に注意するのが大切だそうだ。この奥歯あたりから、歯列が顎の内側にカーブしているため少し奥まった場所に生えている。そのため、意識してシートや歯ブラシを入れないと完全に磨ききれないそうだ。

「愛犬の健康寿命のための歯磨き教室」(日本ペット歯みがき普及協会主催)「愛犬の健康寿命のための歯磨き教室」(日本ペット歯みがき普及協会主催)

獣医師による処置も大切

毎日の手入れを行っても、愛犬の歯磨きを家庭で完璧に行うことは難しい。歯周病予防には、定期的に動物病院でオーラルケアをしてもらうのが安心だ。全身麻酔をかけての処置となるが、できるだけ汚れが少ない状態にしておけば、短時間で済み愛犬の負担も少なくなる。その際、獣医師にもそれぞれ得意分野があるため、歯科治療に慣れた動物病院をインターネット等で探すのがおすすめとのことだ。

保護犬も新しい家族と長生きできるように

今回会場となったのは、東京都大田区にあるNPO法人「SPA(Society for Protection of Animals 」の保護犬・保護猫の譲渡施設(シェルター)。特に保護犬の場合、人を怖がってオーラルケアが難しい場合があるそうだ。そういった犬たちも、新しい家族と健康で幸せに長生きしてほしいとの思いから、今回は同施設での開催となったという。同協会は、動物病院やペットショップ等と連携しながら、さらに多くの飼い主にオーラルケアの大切さについて広めていきたいとしている。

会場となったSPAのシェルターで譲渡された元保護犬も参加会場となったSPAのシェルターで譲渡された元保護犬も参加

《石川徹》

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