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盲導犬と麻薬探知犬にとって、仕事は楽しみの1つ…まとめ

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人間をサポートしてくれる犬を一般に「使役犬」と呼ぶ。辞書には、「使役:働かせること」とある。犬を「働かせてかわいそう」という意見があることも理解できる。しかし、盲導犬や麻薬探知犬の仕事風景や訓練の様子を実際に見ると、訓練士も犬たちもある種のゲームとして求められる役割を果たしていることが分かる。犬たちにとっては、「仕事=苦行」ではなく、遊びの一環となるよう訓練内容も慎重に組み立てられている。


使役犬に関する取材を通して、犬たちにとっての「仕事」とはパートナーと共に楽しい時間を過ごすゲームなのだということが理解できた。盲導犬は、段差の前や曲がり角で止まるゲームをしながら、パートナーと街を歩く。麻薬探知犬は、ハンドラーに遊んでほしくてオモチャのにおい(=麻薬のにおい)を探す。

それそれの仕事は違うが、犬たちが楽しめるよう慎重に訓練が設計されているのは介助犬も含めて共通している。また、介助犬、盲導犬、麻薬探知犬とも、候補犬から訓練を経て実際に仕事に就く犬は3割ほどというのも同じだ。適性のない犬に無理やり仕事をさせても作業効率は上がらない。補助犬の場合はユーザーの命にも関わる場合があるだろう。麻薬探知犬のミスは、社会的な問題につながり得る。

適材適所という言葉がある。使役犬たちの場合は、人間よりもさらに適性に合った道に導かれている。また、仕事を「楽しいもの」としてとらえる姿勢も重要なことを、犬たちから教えられたような気がする。

《石川徹》

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