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エレガントだけどお茶目なところも…ギャップが魅力的なボルゾイの「フランチェスカ」

ドッグランでは快活な面を見せるフランチェスカ
  • ドッグランでは快活な面を見せるフランチェスカ
  • 毎週会いに行ったお迎え前のパピー時代
  • 大切に愛されるお嬢さま
  • 家では「まった~り」することが多いという
  • パラコード作家への道も、愛犬が縁をつないでくれた
  • 小高さん一家

大切な家族の一員として、生活を共にする動物たち。このコーナーでは、一般家庭で暮らす犬や猫たちを紹介していきます。今回は、千葉県に住むボルゾイの「フランチェスカ」ちゃん(8歳)です。飼い主の小高亜紀さんに聞きました。

出会いは偶然

----:あまり会うことのない犬種ですが、出会いを教えてください。

小高亜紀さん(以下、敬称略):2014年の春でした。生まれたばかりの頃に、ブリーダーさんの所で会いました。目が合った瞬間、「あ、この子だ!」と運命を感じたのを覚えています。

----:ボルゾイを探していらっしゃったんですね?

小高:いえ、昔から大型犬が好きでしたが、憧れはグレートピレニーズだったんです。でも体重が50~60kgあると、何かあった時に私一人では対処できません。「飼うのは難しいな」と思っていました。そんな時、友人からボルゾイの子犬が生まれたことを聞きました。比較的近い場所だったので、「見に行ってみれば?」と言われたのがきっかけです。実は、それまでボルゾイのことは知らなかったんです。

----:実際に会ってみて運命を感じてしまったのですね。

小高:写真を見た時は、「かわいいね~」程度だったんです。実際に会ったら、私のことをずっと見て…。「この子、ウチに来る」って勝手に思い込んでしまったという感じです。

毎週会いに行ったお迎え前のパピー時代毎週会いに行ったお迎え前のパピー時代

----:それで、すぐにお迎えしたのですか?

小高:いえ、まだ生まれて間もなかったので、一週間おきに家族と会いに行きました。「飼えるかな?」と話し合ったり、大型犬のお世話の仕方や介護について勉強したり、ボルゾイについて調べたり。生後2か月半でお迎えしました。

見た目と違ってちょっとドジなところも

----:ボルゾイは見た目がエレガントですが、性格も穏やかそうですね?

小高:例えば、ゴールデン(レトリーバー)やラブラドール(レトリーバー)のような「わーっ」という感じは確かにないですね。ちょっとクールな印象を受けるかも知れません。家では「平べった~く」寝て、「まった~り」していることが多いです。気付いたら、そばにそっといてくれるような存在ですね。

家では「まった~り」することが多いという家では「まった~り」することが多いという

----:落ち着いていますね。

小高:ところが、意外とお茶目なところもあるんです。何でもない場所でつまずいたり、走っている時に勢い余って木にぶつかっちゃったり…。そんな時は、1日テンションが“ダダ落ち”です(笑)

----:もともと猟犬ですから、走るのも好きなのでしょうか?

小高:快活な面もありますね。ドッグランでは、走って、地面にゴロゴロ転がって、穴を掘って…。ほかのわんちゃん(ボルゾイ)は汚れないのに、いつも“ひとり”だけまっ茶色になります。だから、帰宅するとお風呂場に直行…。

----:そのギャップも可愛いですね。

小高:はい。見た目と違ってちょっとドジなところがあります。喜んでいる時は、嬉しさをすごく表現しますね。エレガントと言う言葉だけでは表現しきれない、不思議な魅力があります。

フレンドリーで食いしん坊

----:ドッグランなどで他の犬と遊ぶのは好きですか?

小高:社交的な性格だと思います。飼い主さんが「ほかのわんちゃん苦手なんです」という子も近くに来てくれます。相手の様子によって、合わせているようです。

----:私の愛犬もそうですが、最近は“人見知り”や“犬見知り”の犬も多いですが…。

小高:一緒に出歩きたかったので、パピーの頃から人混みに出かけたり、ドッグランで色々なわんちゃんたちと遊ばせたりするようにしました。犬も好きだし人も好きになってくれました。

----:穏やかでフレンドリー、そしてちょっとお茶目と、魅力たっぷりのフランチェスカちゃんですが、彼女が一番好きなのは何ですか?

小高:食べること! 食に対する情熱は熱く、食いしん坊で数々の伝説を残しています(笑)

----:例えば?

小高:ある日、カフェに入ったんです。席を決めてから、私が飲み物を買いにカウンターに行きました。その時、フランチェスカを繋いだリードが長すぎたんです。お隣のテーブルにあった、よそのわんちゃんのケーキをペロリと…。何しろ体高があるので、テーブルの上に食べ物を置いたまま目を離すことはできません。気をつけるようにしています。

犬と暮らすことは縁を大切にすること

----:色々なギャップが素敵なフランチェスカちゃんですが、小高さんにとって一番の魅力はどんなところでしょうか?

小高:魅力と言うか…、わんちゃん好きな方って通じるものがあるので、この子のお陰で人との出会いがものすごく広がりました。それには本当に感謝しています。ブレスレットとか、わんちゃん用のリードをパラコード*で制作してイベントなどで出展していますが、これもわんちゃんのつながりから始めました。この子がいなかったら、やっていませんでしたね。

パラコード作家への道も、愛犬が縁をつないでくれたパラコード作家への道も、愛犬が縁をつないでくれた

----:色々な縁を繋いでくれたのがフランチェスカちゃんなのですね。犬種としてボルゾイの魅力は?

小高:印象的な大きな瞳やベルベットのような柔らかい耳、お尻から尻尾にかけての巻き毛…、挙げれば色々ありますが、「犬種じゃない」と思います。この子と縁があって、一緒に暮らすことになりました。それが、たまたまボルゾイだったという感じでしょうか? うまく言えませんが…。

一緒に生活することで知った、その子の魅力を楽しむ。それが、犬と暮らすっていうことじゃないかと思います。私たちのところに来てくれたからには、最後までその子の魅力を感じながら、共に過ごしたいと思います。ボルゾイという犬種の魅力もありますが、縁があって出会ったこの子の、個性を楽しみながら大事にして共に暮らしたいと思います。それが、犬と生活する醍醐味(だいごみ)だと感じます。

----:分かる気がします。犬も人と同じで、それぞれが個性的でみんな違います。出会った個性を愛してあげたいなと私も思います。最後に、そんなフランチェスカちゃんにメッセージをお願いします。

小高:本当に、「ありがとう」ですね。色んなものを与えてもらっています。


この連載を続けて分かるのは、みなさんが愛犬や愛猫たちに「ありがとう」と感じながら暮らしていることです。動物たちも飼い主さんも、生活環境や考え方はそれぞれです。ペットとの向き合い方も、みんな違います。でも共通しているのは、動物たちからたくさんの贈り物を受け取っているという感覚。

このところ、多様化(ダイバーシティ)の大切さが世界中で叫ばれています。みんな違って、それでいい。犬たちと真摯に向き合うことで、“ほかとは違う”ことを尊重する姿勢を学ぶこともできるのではないでしょうか。

小高亜紀さん:
パラシュートに使われる紐でアクセサリーやドッググッズを製作するパラコード作家。息子さんは獣医学科に通い、本人も父が経営する動物病院で管理面を担当するなど、動物との縁が深い。愛犬の名前は画家のピエロ・デッラ・フランチェスカからとったという。パラコードのInstagramは「@cesca0214」。

《石川徹》

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