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ホッキョクオオカミ、別名ホワイトウルフは夏毛も白い…那須どうぶつ王国

サンナ(メス)
  • サンナ(メス)
  • アザリー(オス)
  • 那須どうぶつ王国のホッキョクオオカミ
  • 那須どうぶつ王国のホッキョクオオカミ
  • 那須どうぶつ王国のホッキョクオオカミ
  • 那須どうぶつ王国のホッキョクオオカミ
  • 那須どうぶつ王国のホッキョクオオカミ
  • サンナは終始リラックスモード

日本で唯一ホッキョクオオカミを飼育しているのは、栃木県の那須どうぶつ王国だ。ここでは、ドイツからやってきた3頭が暮らしている。取材日に展示エリアにいたのはアザリー(オス)とサンナ(メス)の2頭だった。

日本での最初の冬を越して…

実は那須どうぶつ王国のホッキョクオオカミの名前が発表されたのは3月18日。取材日はまだ発表前の段階だった。2019年5月にドイツの動物園で生まれた個体。1歳をすぎた昨年7月と9月にそれぞれ那須にやってきた。取材で訪問したのは周辺の雪もすっかり溶けた3月半ば。

換毛はもう少し先とのことで、草地や岩場に白い毛並みが映える。思ったよりもこもこしていないが、まだ冬毛だそうだ。中には綿毛が生えており、しっかりダブルコートになっている。ホッキョクオオカミは夏も毛色は変わらない。

日本での最初の冬を越して、飼育エリアにもだいぶ慣れた様子だ。アザリーは縄張りチェックなのか展示エリア内を大きく巡回していたが、サンナは草地に寝そべって終始くつろいでいた。サンナはちょっと慎重な性格だという。アザリーはマイペースで表情もやわらかい。

パートナー探しの適齢期

那須どうぶつ王国では、ホッキョクオオカミの繁殖も考えている。アザリーとサンナは2歳になるので適齢期と言えるが、きょうだいなので、別のお嫁さんかお婿さんを迎える必要がある。

ホッキョクオオカミの生息域はカナダおよびグリーンランドの北部で、名前の通り北極圏周辺の陸地。人間の生活圏から距離があったため、他のオオカミよりも生息個体数は多いとされており、レッドデータブックでもLC(軽度懸念)とされているが、希少種であることには変わりはない。群れ(パック)は多くのイヌ科動物と同じで一組のカップルとその子どもで構成される核家族が基本だ。前の年の子どもも群れに残り、狩りや子守を手伝う。

生後2年くらいで親から独立し群れを離れる。このとき自分のペアを見つけて家族を作るまでの個体が「一匹オオカミ」と呼ばれる状態だ。言葉のイメージは群れに属さない孤高の存在だが、実際には群れをつくるための修行中、相手を見つける独身の一人暮らしに近い。

アザリーとサンナは、まさにこの一匹オオカミ状態といえる。早くよい相手が見つかってほしい。

《中尾真二》

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