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【ズボラ女子とわがままウサギ vol.11】元気があっても健康とは限らない!? ウサギと暮らす難しさ

ホーランドロップイヤーのけまり
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セカンドオピニオンを受けたことで、元気を取り戻した「けまり」でしたが、完全に復活したわけではありませんでした。ウサギの健康のバロメーターでもあるうんちの大きさや質感、形状などが良くなったり悪くなったり、前の病院に通っていた時ほどの不調はないものの、不安定な様子が続きます。

不安定な体調と解明されない不調の原因

食欲があったり、なかったり、うっ滞の時のそれとはまた違った様子を心配し、私は事あるごとにけまりを病院へ連れて行きました。

病院では、うっ滞の時にも使う胃の動きを良くする薬を常備薬として処方してもらい、どうしても食欲がない時はそれを飲ませて、食欲が戻るか様子を見ることに。それに加え、血管を拡張し、血液の循環を助ける薬も処方され、毎日飲ませることになりました。

そんな不安な日々を送る中で、ある日、部屋のどこからともなく異音がすることに気が付きます。最初は気のせいかと思ったのですが、頻繁に「スピー、スピー」と、鼻が詰まっている時の人間の鼻息のような音が聞こえてくるのです。

「何の音だろう?」

その謎の鼻息が聞こえるたびに、部屋の色々な場所を覗いてみましたが、その原因は見つかりません。しかし、その次の日も、そのまた次の日も、どこからともなく聞こえてくる鼻息のような音に、「もしかして、けまり?」と耳を澄ませてみると、やはりけまりの呼吸でした。

不調の原因は心肥大と慢性腎不全

鼻息のような異音を発していた犯人が、すぐにけまりだと分からなかった理由は、常時呼吸が荒いわけではなく、夜になると時々聞こえてくるレベルだったことでした。

私はすぐにけまりを病院へ連れて行き、その状況を説明します。すると、レントゲンを撮ることになり、その結果、発見されたのは肥大した心臓でした。レントゲンで見る限り、心臓のサイズは普段の2倍か、それ以上になっていたと思います。

「ごめんね。苦しかったね」

遂に見つかった、不安定な体調の原因。それは、心臓が肥大したことにより、食道を圧迫して食べ物が通りにくくなっていたため、食欲が落ちているというものでした。

そして、心臓が肥大した原因は、はっきりとは分からないのですが、「先天的なものなのか、後天的なものなのかは分かりませんが、腎機能が低下して慢性腎不全になっているかもしれません」と診断されたのです。

異常と健康の境界線

先生はこうも付け加えました。「腎臓が悪い子は、水を飲む量が異常に多いなどの症状があることもあります」

vol.8でも少し触れましたが、けまりは子どもの頃から、異常にたくさん水を飲む子でした。しかし、人間の世界ではスーパーモデルは1日に水を2リットル以上飲むという話を聞いたことがあるし、うんちも先代の「けだま」やペットショップなどで見る他のウサギの3倍ぐらいの大きさで、よく飲んでよく出す健康な子! と、私は大喜び。けまりの立派な排せつ物を見るたびに、「うちの子可愛いからな~」とか、「今日も、スーパーモデルだね!」と、嬉しくて仕方がありませんでした。

健康の証だと思っていた水を飲む量が、実は不調の予兆かもしれなかった。その事実が私の胸にずっしりとのしかかった瞬間でした。

確かに、そう言われてみれば、異常だったかもしれません。ケージにはボトルを2本付けていなければ、私が1日不在にする日は不安に感じるぐらいの量の水を飲み、部屋とケージに1つずつの合計2つ用意していたトイレに敷いているトイレシートは、毎日新しいものに変えているにも関わらず、しずくが落ちるほどタプタプになります。

あんなにも小さな体で、1日にボトル2本を飲み切る勢いで水を飲み、トイレシートを2枚も飽和状態にさせるほど、おしっこをする。異常と言われれば、異常です。

その当時から腎臓が悪かったのか、今となっては真実はわかりませんが、この日から「けまり」の闘病生活が始まりました。

先川知香:モータージャーナリストとして全国各地を駆け回る、乗り物が大好きな干物系女子。ウサギの「けだま」と出会ったことをきっかけにウサギの魅力に夢中になり、現在は3代目愛ウサギの「ゴジラ」と同居中。

《先川知香》

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