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愛犬の適正体重はどのくらい? ダイエット方法やポイントを紹介

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  • 犬や猫のボディコンディションスコア(BCS)/出典:環境省
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近年、様々なフードやおやつが流通し、整った住環境で暮らすようになったワンちゃん達。ですが年齢を重ねていくスピードは今も昔も変わりません。数年で子犬から成犬期に、成犬期からシニア期へと変化していきます。それに伴って代謝も落ちていきますから、若い頃と同じ感覚でいるとあっという間に肥満となってしまいます。また成犬期であってもカロリーコントロールが難しく重度の肥満が見られることも。

ふくよかで愛らしくもありますが肥満は様々な病気の原因になります。今回は愛犬の適正体重やダイエットのポイントをご紹介します。

愛犬の体型をチェックしてみよう

犬の体型はボディコンディションスコア(BCS)で評価されます。BCSは5段階(最近は9段階で提示ペットフードメーカーも)に分けられたチェック表で愛犬の体が痩せすぎ、正常、肥満のいずれに当たるかをチェックすることが可能です。自宅からでも環境省のHPなどで簡単に見ることができますので、是非チェックしてみましょう。BCSにおける愛犬の理想体型は「過剰な脂肪の沈着なしに、肋骨が触れる。上から見て肋骨の後ろに腰のくびれが見られる。横から見て腹部の吊り上りが見られる」とされています。

犬や猫のボディコンディションスコア(BCS)/出典:環境省犬や猫のボディコンディションスコア(BCS)/出典:環境省

犬種によってくびれの大きさなどは変わってきますが、肋骨が触れるか否かは最も見やすくわかりやすい指標かと思います。もしBSC4~5に該当した場合はダイエットを意識した生活に切り替えていきましょう!

カロリー計算の方法は?

愛犬の必要カロリーは「(体重×30+70)×活動係数」または「体重0.75乗×70×係数」で計算できます。活動係数というのは愛犬の年齢や避妊去勢が済んでいるかなどで分けられている項目です。

未避妊・未去勢の成犬:1.8
避妊・去勢済の成犬:1.6
肥満傾向がある成犬:1.4
妊娠初期・中期:通常時と同等
妊娠期後期(終わりの12日間):3
離乳から4か月齢:3
4か月齢から成犬期:2

これによって算出されたカロリー数を元にフードやおやつの量をコントロールしてあげましょう。

肥満は何がいけないの?

人間と同様に過度な肥満は病気の元になってしまいます。代表的な疾患は椎間板ヘルニアや糖尿病、心疾患や関節炎などです。また緊急時に採血や点滴が入りにくい、エコーで臓器が見えにくい、などの弊害も出てきます。何より犬自身が動くことに痛みや息苦しさを覚えてしまい、ますます運動量が減り肥満が進むという悪循環が始まります。結果的に愛犬の健康寿命を縮めてしまう可能性が高いと言えるでしょう。

ダイエットのポイントは?

いくら肥満気味といっても愛犬にはわかってもらえませんよね。食事管理は重要ですが、犬にとって食事は人生の楽しみでもあります。極端に量を減らすのはNG。また運動量を増やすと言ってもあくまで適度に、が重要です。慌てず時間をかけて楽しみながら進めていきましょう。

フードは低カロリーな野菜でかさ増しする、ダイエット用のフードを利用する、食事の量は変えずに回数を増やしてあげる、などの対策が理想的です。療法食を食べている場合には必ず獣医師に相談しましょう。お散歩では少しだけ遠回りする、凹凸が多い道を選ぶなどもいいですね。おやつを隠して宝探しをしたり、簡単に取り出せないおもちゃに入れて遊んでもらうのもいいかと思います。

体の小さな犬たちにとってはたったの数十グラムが人間の数キロにあたります。運動量や食事量も同様に少しの変化でも十分です。ストレスをためないよう工夫して取り組んでみましょう!

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上記以外でも家族間で愛犬のダイエット情報を共有しおやつをあげる人や量を決めておくこともポイントです。長く健康でいてもらえるよう家族ぐるみでチャレンジしてみてくださいね。

参考文献:「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」4-1(環境省)、「犬・猫のエネルギー要求量」坂根弘(ペット栄養学会誌、2001)、2014 AAHA Weight Management Guidelines for Dogs and Cats

《吉田つぐみ》

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