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獣医学領域の研究・開発推進、公開に特化した組織「Vision Vets Group Lab」を開設

「Vision Vets Group Lab」を開設
  • 「Vision Vets Group Lab」を開設

東京大学名誉教授の中山裕之氏と佐々木伸雄氏、同大学特任助教の三輪恭嗣氏らは、獣医学領域の研究・開発の推進、その公開等に特化した非営利組織「Vision Vets Group (VVG) Lab」を4月1日に開設した。

犬や猫などの伴侶動物(ペット)の獣医療は、獣医学の進展や、人とペットとの繋がりが深まっていることにより発展している。一方で、ペットの高齢化に伴うガンや生活習慣病の増加や、エキゾチック動物の飼育増加など、獣医師の対応領域は大きく拡大しつつあるという。

そこで同組織では、主に以下のテーマについて研究・開発等を行うことで、獣医師をサポートし、獣医学の先進的・革新的な学術研究や技術の開発を促進、獣医療の発展に貢献していくとしている。

まず挙げたのは“動物疾患研究の推進と発信”。提携または関連動物病院に集積されている動物疾患の症例情報を解析し、その重要性を学術集会で発表、論文を通して社会に発信するなどしていくとのこと。さらに、動物の疾患には人と共通するものがたくさんあるため、同テーマの研究を進めることで、獣医学だけでなく、人の医学の進展にも役立たせることができるように積極的に研究・発信していく。

次に“エキゾチック動物疾患データベースの構築”をテーマに挙げている。これは、様々なエキゾチック動物を飼育する人が増えている昨今、病気の原因、経過、診断法、治療法などを明らかにすることで、「病気の進化」研究において貴重な知見の蓄積が期待できるためだ。

最後に“遠隔病理組織診断システムの開発”を挙げ、現在主流となっているが結果の受領までに時間がかかる組織標本のやりとりではなく、精細な画像情報を送ることで診断結果を即返答できるようなシステムの開発を行っていくとしている。

《鈴木まゆこ》

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