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愛犬のこんな症状は、熱中症のサインかも! 予防策や緊急時にできる応急手当とは

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筆者は長年動物病院で働いていますが、毎年必ず熱中症のワンちゃんが来院します。人間同様、ワンちゃんの熱中症も命に関わる非常に危険な疾患で、現に命を落としてしまう子も少なくありません。

近年の飼い主さんはとても勉強熱心できちんと対策している方もいますが、それにも関わらず発症してしまったというケースも多々あります。そこで今回は、気を付けておきたい熱中症のサインや、自宅でできる対策、緊急時の対応などをご紹介します。

発症は室内が多い!

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熱中症と聞くと外の炎天下の中で起きると思われがちですが、ワンちゃんの熱中症の多くは室内で発生します。もちろん真夏のお散歩は、早朝や夕暮れ時など時間帯を選ぶ必要があります。ですが、そのあたりは皆さん警戒されているのでそう多くはありません。

それよりは自宅でのお留守番中や、お出かけ中の車内、ケージの中などで起きることが多いように思います。空調をつけているから…と気を抜かず、徹底して対策を行いましょう。

対策は過保護すぎるくらいでOK

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お外での対策は、アスファルトの温度を目安にしましょう。真夏のアスファルトは70度近くまで熱くなることも。お散歩におすすめの時間帯は、日が昇ってすぐと、日が沈んで数時間してからです。実際にアスファルトを触って確認しましょう。

また小さなアイスノンやお水、冷感生地のお洋服などクールアイテムを駆使するのがおすすめです。室内では、空調はもちろんクールマットなどを導入するほか、お留守番時にはお水を複数個所に設置しておくと安心です。時間とともに直射日光が差し込んでしまう場合には、すだれなどで対策を行いましょう。

移動中の車内なども含め盲点になりがちなのは、サークルやケージなど閉ざされた空間です。空調が効いていたとしても、冷気が上手く入らず寛いでいたはずの愛犬がいつのまにかぐったり…なんてことも! ペットボトルを凍らせ、ケージの屋根の上に固定するなどしておくと、閉ざされた空間内の温度も下がります。

このようなサインが出たら要注意!

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では実際に熱中症になると、どのような症状が出るのでしょうか? 最もわかりやすいのは口でハァハァと荒く呼吸するパンティング、次にぐったりと動けなくなる虚脱です。そのほか、重度になると下痢や嘔吐、痙攣やチアノーゼを起こします。

中にはDICといって血液凝固がおきてしまうケースもあり、吐血、下血を伴う事もあります。心当たりがあり、パンティングがひどく止まらない場合には、速やかに動物病院へかかりましょう。

自分でもできる緊急時の対応は?

万が一愛犬が熱中症になってしまったら、まずは体を冷やしてあげましょう。可能であれば、アイスノンをタオルに包んだもので脇下や首元などリンパ節がある場所を冷却します。さらにバスタオルを水で濡らし、ビショビショのまま愛犬の体を包みます。その状態で動物病院へ向かってください。

動物病院の方でも、熱中症の場合は冷却処置や酸素吸入の準備を行いますので、来院前に電話をしておくと到着後速やかに緊急処置を行うことができます。自宅で体温を測りたい場合には、人間用の体温計でOKです。ただしワンちゃんは直腸温で測定を行いますので、体温計の先端にサランラップを巻き付け、オリーブオイルなどを薄く塗りつけて肛門に差し込むとスムーズです。ワンちゃん達の平熱は38度台。39度台前半はやや発熱、それ以上になると発熱状態で温度が上がるほど危険度が増していきます。どのような場合でも自宅での処置で安心せず、必ず動物病院へかかってください。

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筆者が出会った子の中では、数分だけ…と真夏に車のキーをつけたまま車内でお留守番をさせたところ、愛犬が動いて車のロックがかかってしまい、救出するまでの間に熱中症になりかけてしまったといったケースもありました。人間より体が小さいワンちゃん達は、より熱中症のリスクも高いので、短い時間でも愛犬から目を離さないよう気を付けましょう。

《吉田つぐみ》

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