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TYLがペットの往診サービス「アニホック」を開始…ペットの高齢化とコロナ禍で高まるニーズに対応

TYLがペットの往診サービス「アニホック」を開始
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  • 藤野洋獣医師
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ペット業界向けの求人サイトや広告などを手掛ける株式会社TYLが、ペットの往診事業を開始した。「ITの活用による"ペットの家族化推進"をミッションに掲げる」同社にとっては、コロナ禍が新規サービス立ち上げの好機となったようだ。

往診でほぼ全ての診療が可能

「anihoc (アニホック)」と呼ぶこのサービスは、同社の専属獣医師が車で飼い主の自宅を訪問しペットの診療を行う。専用往診車には血液検査や超音波画像診断の装置、動物用心電図や血圧計などの医療機器が搭載されている。注射や薬の処方、ケガの処置などの治療も可能で、一般の動物病院とほぼ変わらない獣医療が提供できるとしている。レントゲン検査や外科手術、入院治療が必要な場合は、同社の提携動物病院または飼い主指定の獣医師と連携して対応する。

ペット業界の動向が好機に

コロナ禍の影響から、ペット飼育世帯が増加していることが世界各国で報じられている。日本でも、昨年1年間の犬・猫の新規飼育頭数は2019年比10%を超える伸びをみせた(ペットフード協会調べ)。アニコム損害保険によればペット関連支出も増加傾向にあり、2020年には犬が33万8561 円、猫は16万4835 円とこれまでの最高額を記録した。「密」を避けたい飼い主のニーズも加わり、コロナ禍はペットの往診サービス参入にあたっての好機だったと言えるだろう。

現在は、獣医師3名と看護師1名で主に東京23区に対応しており、月間100件程度の利用を見込んでいる。今後は、1~2年を目途に1都3県への拡大を予定している。また、5年以内には大都市圏に拠点を設け、全国的な展開を目指すとしている。

ペットと飼い主の負担を軽減

高齢の動物や重篤な症状のあるペットの場合、飼い主が動物病院に連れて行くことが難しいケースがある。また、神経質な個体にとっては、動物病院の慣れない環境で診察を受けることが大きなストレスになることもある。そうした動物と飼い主にとって、自宅で診察・治療が受けられるメリットは大きい。基本的には移動の必要や待ち時間もないため、飼い主の負担も軽減される。

申し込みはインターネットの予約フォームを利用し、第3希望までの日時指定ができる。「一般の動物病院と同等」とする料金は、同社のウェブサイトに細かく明記されており安心だ。現在は病院が苦手な個体が多い猫の飼い主からのニーズが高いそうだが、そのほかにも犬やウサギ、フェレット、ハムスターなどの診察も行うという。

「往診だからできること」に注力

これまで動物病院経営に携わってきたアニホックの藤野洋獣医師は、近年、ペットの高齢化に伴い自宅治療の必要性を強く感じていたという。さらに、昨年からのコロナ禍によって往診へのニーズが高まり、アニホックの立ち上げに至った。同獣医師は、「往診だからこそできることにフォーカスし、従来の通院型動物病院との連携を図りながら一緒にペットの幸せを実現したい」と語っている。

《石川徹》

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