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在宅時に起こる愛犬のケガとは? vol.1…隙間、コンセントに注意!

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自粛ムードが高まる今、愛犬と過ごす時間が増えている方も多いですよね。飼い主さんが一緒にいることでイタズラの心配も減っているかと思います。しかし、油断は禁物!

筆者は動物病院で勤務しています。病気だけでなくケガをしたワンちゃんもやってきますが、半数以上が自宅で負傷しています。そこで今回は在宅時こそ気を付けたいケガについて、経験を踏まえてご紹介します。

ケージや隙間に要注意!…爪折れ事故

一番多いのが爪折れのケガです。ワンちゃん達の爪の中には血管が通っています。根元ほど太く爪先に向かって細くなっていますが、何かの拍子に爪が根元から折れてしまうと想像以上に出血があり慌てて駆け込んでくる飼い主さんが多くいらっしゃいます。もちろんしばらくは痛みがあるため手を地面につけないことも。

爪折れの多くはサークルなどの網の部分引っかけてしまう、隙間に手を入れたときに引っかけてしまうなど自宅内で起こります。こんな所で!? と思うほどワンちゃんたちは手を突っ込めるような場所を見つけてきます。例えばタンスの持ち手の部分(へこみになっているタイプのもの)や、洗濯カゴの網目、家具の接続部分に生じたわずかな隙間、おやつやご飯が入っている戸棚などは特に要注意、開けようと引っかき続けて爪を折った子もいました。中には飼い主さんに飛びついた拍子にセーターに引っかけてしまったりも…。

隙間はうめておく、戸棚などは赤ちゃん用のロックを使ってピタリと閉まるようにしておくとGOODです。その他サークルは網目が大きいものにする、定期的に爪切りを行うなどして対策をしておきましょう。

なお爪は消毒後に止血処置を行えば出血は止まりますし、時がたてば新しく生えてきます。炎症や化膿を防ぐため抗生剤や痛み止めのお薬を投薬する場合や、出血が止まりにくいときはテーピングで固定することがありますので、出血した爪をタオルで抑えながら動物病院にかかりましょう。

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入院治療になることも…コンセントのイタズラ

危険度NO.1がコンセントやコードのイタズラです。感電してしまうケースが多く、その場合は肝臓や腎臓、心臓など多くの内臓器がダメージを受けます。過去に見た例では肺に水がたまる肺水腫や、肝不全を引き起こしたワンちゃんがいて入院治療を行いました。またお顔にやけどを負ってしまいお口が裂けてしまう子や、全体的に膿んでしまう子もいます。

内臓器にダメージを負っている場合には、入院後点滴を流し臓器や症状に合わせた薬剤を使用していきます。お顔の裂傷や熱傷は、程度にもよりますが麻酔下で縫合の手術を行うか、麻酔がかけられなければそのまま様子を見ていくしかありません。化膿してしまった場合には毎日の消毒や洗浄、抗生剤などの投薬が必要となります。

速やかに処置を行えば回復することも多いですが、臓器のダメージがある場合放置すればあっという間に死に至るほど危険な事故です。感電後の治療は長期戦になる覚悟が必要。コンセントやコードにはカバーをしておきましょう!

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家の中でも命に関わる事故は起こりえます。安全な動線作りはとても大切です。ワンちゃんの目線になって危険なものがないか改めて考えてみましょう。

《吉田つぐみ》

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