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【“命の商品化”を考える vol.10】小泉環境大臣が動物の安全と健康を守るための環境づくりを明言…新しい計画も発表

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  • 動物福祉の向上に努力すると語る小泉進次郎環境大臣
  • 【“命の商品化”を考える vol.10】小泉環境大臣が動物の安全と健康を守るための環境づくりを明言…新しい計画も発表

8月12日、環境省の自然環境局が「動物の適正な飼養管理方法等に関する検討会」(第7回;以下、検討会)を都内で開催した。今回は冒頭、小泉進次郎環境大臣から改めて方針が語られると共に、新たな発表も行われた。

「動物の健康及び安全を保持する」ための検討会

昨年改正された「動物の愛護及び管理に関する法律」(以下、改正動物愛護法)では、繁殖業者や競り仲介業者(オークション)、ペットショップなどの事業者に遵守義務が課せられる具体的な基準(通称、「数値基準」)を環境省が省令として定めるとしている。「動物の健康及び安全を保持する(第21条)」ために、獣医師を含む学者や法律家など7名の委員が環境省の自然環境局と意見交換する場がこの検討会である。

REANIMALでは、「“命の商品化”を考える」シリーズのvol.4から6回にわたり、7月10日に開催された検討会(第6回)で環境省が発表した基準案を紹介した。その基準案に対し、委員から出された意見を基に検討した改定案の発表が、今回開催された検討会の主な目的だ。

議論のポイント

主な論点は、飼育スペース(ケージ等のサイズと収容頭数)、繁殖の回数および動物の世話を行う従業員数の3点である。様々な意見はあるが、前回の提案内容は改正愛護法の成立に中心的な役割を果たした「犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟」からも一定の評価を得ている。今回は「悪質な事業者を排除する」(自然環境局資料より)目的の同省令を、さらに実効性のあるものとするための修正が加えられている。

環境省の方針

検討会の冒頭では小泉大臣から新しい発表もあった。自治体向けの相談窓口を環境省内に新設することを検討するという。数値基準作成の目的は、劣悪な環境で動物を飼育する事業者の排除にある。そのためには、基準の明確化だけでなく、その規制を実際に行う自治体の環境を整えていくことも不可欠だ。要は、自治体職員が立ち入り調査など事業者のチェックを行い、必要に応じて勧告や命令、取り消しや罰則を出しやすい環境の整備である。

動物福祉の向上に努力すると語る小泉進次郎環境大臣

小泉大臣からは、「自治体がレッドカードを出しやすい状況」作りをサポートするため、環境省内に相談窓口を設けて動物の安全を守るために共に努力するとのコメントがあった。もし「(環境省側に)不充分な対応があれば、それは私の責任です」とも明言しており、大臣としても今回の愛護法改正と環境省令の作成・実行を通した動物の福祉向上には強い意志をもって臨んでいるようだ。

今後に向けて

ただ、この窓口の設置については「検討」と言う表現が使われており、計画の進行状況を慎重にウォッチしていく必要はありそうだ。また、数値案を含め規制強化に反対する声も今後高まっていくことが予想される。年末の決着までには紆余曲折も予想されるが、大臣からは動物の観点から「どうあるべきか」を大切にする、とのコメントもあり、今後に期待したい。

次回は、第7回検討会で環境省から説明のあった修正点について紹介する。

《石川徹》

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