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ペットのデンタルケア、歯磨きには味をつけてもいい?…トーラス【インターペット2022】

新製品の味付き歯垢除去シート
  • 新製品の味付き歯垢除去シート
  • トーラス/日本ペット歯みがき普及協会ブース(インターペット2022)
  • トーラスのケア用品
  • トーラス/日本ペット歯みがき普及協会ブース(インターペット2022)
  • リキッドタイプ、ジェルタイプなどもある
  • トーラス/日本ペット歯みがき普及協会ブース(インターペット2022)
  • ブースでは日本ペット歯みがき普及協会による歯磨きセミナーも開催された

飼育下の動物は人間と同じで虫歯や歯周病のリスクが高い。栄養価が高く加工・調理した食事が多くなるからだ。ペットも歯磨きやオーラルケアが重要だが、動物に歯磨きをさせるのは簡単ではない。

野生動物は、そもそも毎日食事ができるとは限らない。肉食動物の多くは咀嚼をほとんどせず噛みちぎったものをどんどん飲み込む。骨もかじるので歯磨きは不要とされる。草食動物は、咀嚼(そしゃく)時間が長く反芻(はんすう)も行うので口内環境は良好といえる。飼育されている犬猫の場合、食べやすく加工処理された食事が定期的に与えらえるため、人間のようなオーラルケアが必要になる。

犬猫の唾液は弱アルカリ性のため人間(弱酸性)のように虫歯の心配はほとんどない。虫歯菌は酸性の環境を好むからだ。だが、歯周病菌のリスクは残る。歯周病による痛みで食事がとれなくなり、最悪は歯が抜けるか抜歯をしなければならず、ますます正常な食事がとれなくなりQOLが下がる。これは人間と同じだ。

トーラスは、ペットのサプリメントやケア用品などを扱うメーカーだが、歯磨きや歯磨きシート、サプリなどオーラルケア商品に特徴がある。口を触らせてくれない、口の中に指を入れさせてもらえない、といったペット(多くがそうだが)のために、段階的な歯磨き製品をラインナップしている。

サプリメントや水に混ぜて飲ませるケアから始まり、口に垂らすジェル、歯磨きシートなどさまざまな段階に分けて製品開発を行っている。最終的には歯ブラシで磨けるようにトレーニングするラインナップとなっている。

だが、エサや水に混ぜるケアとシートを口の中に入れる間がかなり難しい。逆に指を口に入れさせてくれるようになれば、歯ブラシまでは近いようにも思える。この間のギャップを埋めるにはシートに慣れさせることが重要で、そのためにはシートに味をつけてもよいそうだ。同社では味付きの歯垢除去シートも販売している。

シートにペースト状のおやつなどを塗って、まずは指が入ってくるのをおやつや遊びに変えるところから始めるわけだ。前述したように犬猫の場合、虫歯よりも歯周病対策が重要で、シートの成分が歯や歯茎に行き渡るようケアをする。

なお、トーラスの赤津徳彦氏は「日本ペット歯みがき普及協会」の代表理事も務めており、会場のブースでは協会の獣医師による歯磨き講習が行われた。今後も、獣医師やトレーナーと連携しながら、犬の歯磨き教室や猫の歯磨きオンラインセミナーなどを実施していく予定だという。

《中尾真二》

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