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ペットを置き去りにしないために…新型コロナ感染拡大の状況下でできること

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新型コロナウイルスの感染者が世界中で増加する中、家族として共に生活するペットにも影響が出ている。4月7日現在、感染者数が約14万人にのぼるスペインでは、飼い主が隔離施設に収容され、家に置き去りにされるペットが増えているという。

この数日、同国における新型コロナウイルスによる死者の増加率は低下に転じているが、3月14日に出された非常事態宣言が4月25日まで延長されることが決まり、予断を許さない。

そのような状況下で行われている保護活動を、AP通信が報じている。首都マドリッドのボランティア団体が、無人となった住宅からペットを救出し、飼い主に引き取られるまで保護しているそうだ。ただし、全土に外出禁止令が出されているスペインでは、このような救いの手が差し伸べられるのは幸運なケースと言えるだろう。

連日感染拡大が報じられる日本でも他人事ではないだろう。2017年に、全国の飼育頭数では犬を抜いたと言われる猫。一人暮らし世帯でも、犬に比べて飼いやすいというのが大きな理由の一つと言われている。また、現在の日本では夫婦二人の世帯も多く、犬、猫にかかわらず飼い主の感染によってペットが取り残される可能性は否定できない。

「危機管理」の基本として、「ワーストケース・シナリオ=最悪の想定」に立って考える、というものがある。つまり、「万が一」への備えである。飼い主自身が感染のリスク低減に努めるのが最も重要なのは言うまでもないが、「もしも」の場合に備えてペットの保護についても最悪の事態を想定しておくことをお勧めする。

保護の依頼先については、「感染症」という問題をはらんでいるため、飼い主ごとに事情が異なるだろう。飼い主それぞれのペットを通した人脈や生活環境などにもよるが、別居の家族や友人・知人などが一般的には受け入れられやすいと考えられる。その他、付き合いのある動物病院、ペットシッター、トリミングサロン、保護団体などに、あらかじめ相談してみるのも選択肢と言えるだろう。

保護先が決まったら、ペットの受け渡し手順を確認しておくことが重要である。新型コロナウイルス陽性者と同居していたペットのからだや所有物(クレートやペット用の食器やおもちゃなど)には、ウイルスの付着が考えられる。したがって、東京都獣医師会のガイドラインなどを参照の上、保護してくれる相手が感染しないための手順を踏むことも非常に大切である。

《石川徹》

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