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【僕と愛犬の癌闘病記 vol.4】軽く考えていた異変、癌はそこから始まっていた

パピヨンのルナ
  • パピヨンのルナ

ルナは3歳くらいのとき膀胱炎になったことがあります。症状としては、頻尿で何度もトイレへ行って用を足そうとするのですが出ない、の繰り返し。その時は抗生物質投与で完治していて、今回も同じ症状だったので抗生物質をもらいに病院へ向かうことにしました。

かかりつけ病院での診察、疑うことなく治療を開始

近所にあるかかりつけ病院で症状を伝えると、診察と同時に採尿を行って外部検査機関へ出し菌がいるのかどうか、抗生物質の耐性検査を行うとのこと。結果が出るまで数日かかるので、その間は一般的な抗生物質を飲んで様子を見ましょうとの診断を受けました。

僕もそこまで深刻な症状だとは思っていなかったので素直にその診断を受け入れ、結果が出るまでの間は1日1回抗生物質を飲ませていましたが、基本的には頻尿以外の症状はなく、元気にしていたので軽い気持ちで「早く治るといいね」と日々過ごしていました。数日後に病院から検査結果が来たと連絡があり再度通院。結果としては膀胱炎で効果のある抗生物質に変更しましょうと1ヶ月分の薬をもらい、日々様子を見ながら飲ませていました。そしてここから迷走が始まります。

治ったのか?治っていないのか?着地点が見えない日々

ルナに抗生物質を飲ませる日々、症状は変わらなかったり良くなったり中途半端な状態が数ヶ月続きました。抗生物質に対する耐性が出来て薬が効かない場合があるので…ということで1ヶ月ごとに尿検査を行って菌の有無や菌への有効性を調べながら投薬治療を継続。病院はその間に、尿検査以外でも血液検査やエコー検査など色々な角度から検証・対処をしてくれていて、金銭的負担は大きかったですが、ルナのために出し惜しみすることはありませんでした。

手を変え品を変え、時には膀胱炎の症状が治まった時もありましたが、ある日、尿道の出口に腫瘍が発見されたのです。病理検査へ出すために腫瘍の一部を採取して外部機関へ送ります。先生から現時点の見解として「正確には検査結果が出ないと分かりませんが、悪性腫瘍の可能性が高いです」と言われました。

そこから検査結果が出るまでの日々はとても苦しいものでした。ハッキリしない、中途半端な日々が1週間を越えた辺りで、検査結果が出ないことにしびれを切らして院内検査が出来る病院を探すことに。たまたま行ける範囲に見つけることができ、症状を伝えて診察予約を取ったのです。

病院によって設備の違いは歴然、命を預かる飼い主の責任を痛感

先に言っておきますと、元々通っていたかかりつけ病院はとても良い所でした。基本的に年中無休で夜は20時まで診察をしてくれ、何かあった時にも緊急対応をしっかりとやってくれました。でも設備の違いはとても大きく、新たに行った病院では尿検査や血液検査は15分ほどで結果が分かりますし、エコーやレントゲン、MRIまで完備しています。担当となった先生に症状を説明して、元の病院でもらっていた検査結果や薬の種類などを提出。その後、腫瘍を含む各種検査を行ってから改めて症状の説明が行われました。先生によれば…

「とても残念ですが、悪性腫瘍、移行上皮癌です。癌の中では比較的進行の早い癌で、全身に転移していきます。早いと1~2ヶ月、長くても1年は厳しいかと思います」

とのこと。半ば覚悟はしていましたが、目の前が真っ暗になるってこういうことなんだな、と初めて実感するのでした。

《藤澤純一》

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