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まさか病気? 愛犬の止まらない咳、考えられる理由は…

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人間の場合、乾燥や単なる風邪でも咳が出ることはよくあります。そのほとんどが1週間程度で回復するかと思いますがワンちゃん達はどうでしょうか?

基本的にワンちゃん達は何か理由がない限り咳が継続して出ることはありません。愛犬の咳が数日続いている場合には何か原因があると考えましょう。実は治療が必要な病気が隠れているかもしれません…! 今回は咳が出る代表的な疾患についてまとめてみました。

気管が狭い

小型の犬に多いのが「気管虚脱」です。本来はホースのようにきれいな円形をしている気管ですが、何らかの要因で気管が楕円形や平たく変形してしまい呼吸がしにくくなる疾患です。先天的な遺伝要因で発症することもありますが過度にリードで圧迫されていたり、吠えすぎ、肥満、など後天的な要因で発症することもあります。

一度潰れてしまった気管は元に戻すことができません。特徴的なのは「ガーガー」という咳。興奮時や運動時にこのような咳が見られたときは速やかに動物病院にかかりましょう。咳をしている動画を持参するとより早く診断が出るかと思います。診断後は気管支拡張剤や運動制限、ダイエットを行い呼吸状態の安定化を図ります。外科的な手術も可能ですが専門性が高く行うことができる動物病院は限られています。リードからハーネスに変えるだけでもワンちゃんはとても呼吸が楽になりますので、できるところから変えてみてくださいね。

心臓疾患がある

心臓疾患がある犬は、心臓が肥大し気管を圧迫することで咳が出るようになります。気管虚脱の咳とは異なり「ゴホォ」といった湿咳が特徴です。心臓病が重篤化すると肺に水が溜まる「肺水腫」の状態になってしまいますがここまでくるとゼロゼロとした水っぽい咳や呼吸音に変わってきます。興奮時や運動時に関わらずこういった咳が見られるようになってくるととても危険です。

お薬や注射で一時的に咳を緩和することや、肺に溜まった水を抜くことで呼吸状態が改善できることもあります。心臓疾患は早めに手を打ち進行を遅らせることがポイントです。特にシニアの犬にこういった咳が見られるときは速やかに動物病院にかかりましょう。

犬風邪(ケンネルコフ)

実は犬も風邪で咳が出ることがあります。それが「ケンネルコフ」です。シニア犬に見られることもありますがこのケンネルコフは混合ワクチンを接種していれば防ぐことができる疾患。ワクチンを接種する前のパピーに圧倒的に多く見られる疾患です。「コンコン、ケンケン」といった短い乾咳が出続けるのが特徴で二次感染を起こすと肺炎を引き起こし発熱や食欲、元気の低下を招く危険な感染症です。

疾患名になっているケンネルとは犬小屋、コフは咳という意味で繁殖を行っているブリーダーさんや販売元のショップで感染してしまっているケースがほとんどです。感染から発症までの潜伏期間が7~10日ほどあり、感染に気が付かず迎え入れ、数日後から症状が出始めるというケースも少なくありません。犬を迎えたばかりでかかりつけも決まっていない状態だと戸惑うかもしれませんが、ケンネルコフは抗菌薬や、状態によっては吸入での治療が必要となります。まだ体力もないパピーは、体力が落ち切ってしまう前の治療開始が望ましいため様子を見ずに病院に連れていきましょう。

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今回は代表的な3つの疾患をあげましたが、他にも咳が症状として出る疾患は多くあります。その多くが投薬などの治療を要するものです。むせたり興奮時に咳が出ることもありますが、何日にもわたって症状が消えない時は一度動物病院に行かれることをおすすめします!

《吉田つぐみ》

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